創部以来初!23歳新人女性監督 部員と一丸で目指す全県少年野球大会
来月の全県少年野球大会への出場権をかけた地区予選が、14日から全県各地で行われます。
このうち、秋田3区に出場する秋田市の雄和中学校は、学校で初めて女性の監督が指揮を執ります。
社会人としても1年目、23歳の新人監督は、ある球技の経験を生かしてチームを指導しています。
11年ぶりの全県大会出場を目指す、雄和中学校野球部。
爽やかな笑顔と、対照的な力強いスイングでノックを打ち続けるのは、今年4月に監督に就任した、佐藤理子さんです。
創部58年目の野球部の歴史の中で、初の女性監督です。
グラウンドに響き渡るのは、佐藤さんのパワフルな声!
佐藤さん
「あ~~~~~!はいもう追え追え追え追う追う追う追う追う!追う~~~! 追う~~~!」
熱のこもった指導で、部員を鼓舞します。
佐藤さん
「放送して良いのかこれを~!」
秋田市で生まれ育った佐藤さんは、中学から大学までの10年間、ソフトボールに打ち込んできました。
山王中学校3年の時には、キャプテンも務め、全県で3位に。
秋田を離れて進学した東京学芸大学でも、扇のかなめ・キャッチャーとして活躍し、チームは、所属するリーグ戦で2連覇を果たしています。
佐藤さん
「たくさんの指導者に出会ってきて、その指導者のいろいろな人の言い方とか言葉とかっていうのは、自分の中にすごくまだ残っているので、先生方の言葉とかを借りて自分のものにして伝えていくっていうのを意識しています」
雄和中の野球部のメンバーは、11人。
監督自らバッティングピッチャーも務め、選手の打撃力向上を図っています。
野球部 渡邉優さん
「一生懸命やってくれるので、こっちもそれにこたえたいなという風には毎日思っています。
杉山柚希 主将
「とても明るくて、自分の経験を生かした指導をしてくれるので、とても的確だと思います」
監督就任から2か月ほどで、すでに部員からの信頼も厚い佐藤さん。
しかし、野球とソフトボール、似ている競技と思われがちですが、指導者としてはその違いに戸惑いも感じています。
佐藤さん
「全然違う競技なので、自分のこれまでソフトボールだけに使えるものを知識として得てきたんですけれど、その中でどれが野球に使えるものなのかっていうのは、そこをまず選ぶのにすごく迷いがあります」
佐藤さんは、野球部の監督だけではなく、教員としても駆け出しです。
いまは講師として体育の授業を担当しています。
この日の授業は短距離走で、30分ほど前から準備に取りかかりましたが…
佐藤さん
「てんやわんやで何を出せば良いのか、何がどこにあるのか分かっていない」
目まぐるしく過ぎていく毎日。
それでも佐藤さんは、地元への感謝と貢献したいという思いを原動力に、日々邁進しています。
佐藤さん
「いろいろな方のご指導のおかげでここまで成長できたのかなと思うところがすごくあって、自分が大学で学んだことを、秋田に帰って来て自分がつないでいく立場なのかなと思って秋田に帰って来ました」
部員たちも佐藤さんから学んだことを結果に結びつけようと、日々努力を続けています。
佐藤さん
「心の底から野球を楽しんでいるという雰囲気をまず大事にして、そこを生かして、勝ちにこだわって、もっともっと一戦必勝で戦っていけるチームになっていけたらなと思っています」
チームに新たな風を吹かせた監督と、部員一丸で目指す全県大会の舞台。
新生・雄和中野球部の初戦は15日です。