大阪・関西万博の開幕まで1か月 “愛・地球博”に毎日通った「万博おばあちゃん」 開幕に向けて大阪に引っ越していた!? リハビリのため通い始めてとりこに 万博は「健康になれる、くよくよしない場所」

世界中から人が集まり、未来の技術などを発信する大阪・関西万博が、4月13日に開幕します。20年前の愛・地球博で、有名になった、あの“万博おばあちゃん”は、なんと大阪に引っ越していました。
準備着々と…完成近づく万博会場
開幕まで1か月に迫った大阪・関西万博。準備はどこまで進んでいるのでしょうか。
会場となるのは、大阪湾に浮かぶ人工の島「夢洲」。今回の万博のために整備され、2025年1月に最寄り駅も開業しました。
会場の中心に位置する「いのちパーク」はまだ工事中ですが、1か月後にはアテンダントが案内してくれるようです。
メディアアーティストの落合陽一さんがプロデュースした、ぐねぐねと動くパビリオン「null2」は、来場者の身体がデジタル化され、合わせ鏡のように対話ができるといいます。
メディアアーティスト 落合陽一さん:
「自分とそっくりにしゃべるAIアバターを作って、対話したりする体験もしていければ」
3月に完成した最大級のパビリオン「未来の都市」では、「触ることができる」映像や、10年後とその先の未来の都市のシミュレーションを体験することができます。
日本の外食産業を世界に伝える「外食パビリオン」は目玉の一つ。「お好み焼き風バーガー」や豊富な種類のおにぎりなどを味わえます。
会場は完成に近づいていますが、愛知県で「万博といえば…」のあの人は、どうしているのでしょうか?
大阪・関西万博のため2拠点生活をスタート!
瀬戸市に住む「万博おばあちゃん」こと山田外美代さん(75)。2005年の愛・地球博に185日間1日も休まず通い、「万博おばあちゃん」と呼ばれるようになりました。
その後も、上海やミラノなど各地の万博に通い続け、今回の大阪・関西万博にも毎日通う予定です。そのために山田さんは驚きの行動を起こしていました。なんと、大阪へ引っ越していたのです!
2024年12月から家を借り、2拠点生活のための準備は万端! 大阪の自宅にお邪魔してみると、気持ちを高めるために、部屋の一角にはすでにミャクミャクコーナーが作られていました。
窓から見える万博会場を1日に何度も眺めながら、開幕を心待ちにしています。
この2拠点生活を支えるのは、夫・鐘敏さんと息子・和弘さん。和弘さんは中学校の社会科の先生で、生徒たちから「万博先生」と呼ばれているそうですが、今は万博のため休職中。家族みんなで大阪・関西万博に参戦します。
愛・地球博から20年の月日が流れ、山田さんは現在75歳。大阪では早朝からウオーキングをして体力づくりをしています。
万博おばあちゃん 山田外美代さん(75):
「誰の力も借りず自力で行くにはウオーキングしかない。(歩くスピードは)速いよ。万博会場になったらもっと速い!」
「多くの人に万博を体験してほしい」 PRイベントにも協力
山田さんが万博を愛し、毎日通うようになったのは、病気になったことがきっかけでした。医師に勧められるがままリハビリ目的で訪れた愛・地球博。そこで万博のとりこになったのです。
万博おばあちゃん 山田外美代さん(75):
「海外に行くのは元々好きだったので、現地ではできない交流が日本の一つの輪の中でできたことはとてもよかったと思っています」
以前は毎日病院に通っていましたが、万博に行くようになって元気を取り戻し、医者から「もう来なくていいよ」と言われるほどまで回復しました。
山田さんにとって万博は「健康になれる、くよくよしない場所」。
一人でも多くの人に万博を体験してほしいと、今回の大阪・関西万博では事前のPRイベントに協力しています。
会場に個人的に足を運び、好きなだけ柵に張り付いて入り口を眺めた後、会場を見に来た人たちにPRします。
万博おばあちゃん 山田外美代さん(75):
「来られるかどうかわからないという人が9.9割。だけど来たほうがいいって必ず押し付けます」
そんな山田さんに特別なオファーが。見どころの一つ「大屋根リング」を見学できることになったのです!
2月28日に完成した万博のシンボル「大屋根リング」。直径600メートル、1周2キロで会場を囲む大きな円となっていて、「世界最大の木造建築物」として3月4日、ギネス世界記録にも登録されたのです。
山田さんが驚いていたのは、愛・地球博の“グローバルループ”と比べて柱が太いこと。抱きついても手が回りません。
リングの中は外と比べると5~6℃ほど涼しくなり、休憩することもできます。上にのぼると、高さ20メートルの地点から、84のパビリオンが並ぶ会場を一望できます。
万博おばあちゃん 山田外美代さん(75):
「世界の人たちがみんな集まるような空間ができるんだって、入場券1枚で入れるんだよって(家族で)話していました。行かないんじゃなくて行く人が増えることを望んでいます」