ふるさと納税の返礼品は地元の“おっちゃん”!? 実は…知る人ぞ知るすごい人 全国から申し込み多数 岐阜・飛騨市
その土地の人と実際につながることができる ふるさと納税の個性的な返礼品
この時期、宮川のアユ漁が人気の岐阜県飛騨市。ふるさと納税の返礼品でもアユは人気なのですが、実は、飛騨市では特産品などの“モノ”だけでなく、かなり個性的なものも返礼品として出品しているのです。
その個性的なものとは、地元の“おっちゃん”をレンタルできるというもの。
ふるさと納税の運営を代行する「ヒダカラ」 舩坂香菜子代表:
「ふるさと納税は、お肉やお米とか物を贈られて終わりというイメージが強いと思うんですけど、それだけだとちょっとさみしい。飛騨市に実際訪れていただけるようなきっかけになるなと開発をしたのが“おっちゃん”レンタルになります」
レンタルできるのは、室田正さん(75)。この方、ただの”おっちゃん”ではないのです。数多くのトーナメントで優勝し、釣りの本まで出版している、知る人ぞ知るアユ釣り界のレジェンド。
伝説のアユ釣り名人に会いたいと、この日は全国から17人が集まりました。中には東京や奈良から訪れた人も。ほとんどの人がアユ釣り初心者ですが、それでも早速さおを持ち川に入るよう促されます。
今回名人が教えるのはアユの「友釣り(ともづり)」。アユはコケのついた石を縄張りに持ち、侵入してきた他のアユを追い払う習性があります。この習性を利用して、おとりに近づいてきたアユを捕まえる釣り方です。
参加者たちは、名人から直接釣り方のコツを伝授してもらいます。
室田名人:
「(さおを)引っ張っていったらいかんのやで。ついていってあげる」
ぎこちない手つきながら一生懸命アユを釣ろうする参加者たちを、「そうそうそう。うまいうまい」とほめる名人。
名古屋から参加した香田さんファミリーもアユの「友釣り」に挑戦! 釣り初心者のお母さんは、さおを持って川に入ると、しばらく集中していましたが、ちょっと疲れてしまったのか、お父さんに交代しようとしました。その時、さおに引きが! そのまま見事にアユを釣り上げました!
釣ったばかりのアユをおとりにして、今度はお父さんが釣り上げました。なかなかの大物です!
一通りアユ釣りを楽しんで川から上がると、待っていたのは名人たちが釣ったアユの塩焼き。外側はしっぽまでカリカリに焼けていて、中の身はふっくら柔らかく、思わずお酒が飲みたくなる味です。身をほぐしてごはんに混ぜた「アユご飯」もふるまわれました。
おなかも満足したところで、改めて釣り上げた天然アユを見せてもらうと、やはり養殖モノとは色も大きさも全く違います。
名古屋から家族で参加 香田浩一さん:
「これ(おっちゃんレンタル)がないと飛騨市に来る機会もなかった。非常に貴重な経験ができ、家族の思い出ができてよかった」
参加者は全員、室田名人の弟子として認められ、認定証が授与されました。
ふるさと納税を通じて実際にその土地とつながることができる、ちょっと個性的な返礼品。こうした体験型の返礼品が、これからますます増えていくかもしれません。