米軍ヘリと衝突、旅客機のレコーダー回収 管制官は2人の業務を1人で担当か
アメリカの首都ワシントン近郊で旅客機とアメリカ軍のヘリコプターが衝突した事故で、旅客機のフライトレコーダーとボイスレコーダーが回収されました。事故現場近くの空港から中継です。
墜落現場では依然として、船やダイバーによる捜索が続いています。フライトレコーダーとボイスレコーダーが回収されたことで事故原因の調査が本格的に進められることになります。
ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港近くで29日、乗客・乗員64人を乗せた旅客機と、アメリカ軍のヘリが空中で衝突し、トランプ大統領は30日「生存者はいない」と発表しました。
こうした中、ニューヨーク・タイムズは30日、ヘリを担当していた管制官が滑走路から離着陸する旅客機への指示も担当していたと報じました。
通常では、ヘリと旅客機を別々の担当者が行うことになっていますが、1人が担当していたとしています。
トランプ氏は30日会見を行い、事故原因はまだ分からないと述べる一方で、バイデン政権がFAA=連邦航空局の多様性を推進し、「重度の知的障害や精神障害がある人々の雇用を進めた」と批判しました。
こうした政策が事故の背景にあると主張し、バイデン政権に批判の矛先を向けましたが、根拠は示しませんでした。
トランプ氏は、この後運輸省と連邦航空局に対し多様性を確保する取り組みを廃止し、採用基準を見直すよう指示をする文書に署名しました。
自らが進める多様性確保の取り組みの廃止に結びつけることで今回の事故を政治的に利用する狙いがあるとみられます。