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かつてはお寺だった、ファンに愛されるそば店 へんてこ大根をおでんにしておもてなし 愛知・豊川市

2025年1月25日 8:00
かつてはお寺だった、ファンに愛されるそば店 へんてこ大根をおでんにしておもてなし 愛知・豊川市
店主の深津弘さん
こちらのかわいらしい3体のキャラクター。
よく見ると大根です。
これが飾られているのは、愛知県内のあるお店。
訪ねてみたところ、店主はとってもユニークな方でした。

ファンに愛されるそば店は、かつてはお寺だった  

愛知県豊川市に“変わった”そば店があるということで、訪ねてみました。

すると出迎えてくれたのは……。
ぬいぐるみではなく、顔が描かれたダイコン!

さらに、お手洗いには……なんと、ヤカン!?
前に倒すと、口から水が出ます。
      
そして、提供されるお料理も一風変わっています。
「サクサクとしていて、おいしかったんですけど」
「何かなと思ったら、リンゴでした」

珍しい「リンゴの天ぷら」も人気です。

「どうでした?」とお客さんに感想を求めると、「美味しかったです」と即答。
店内は、遊び心が盛りだくさん。

そば店の店主は、深津弘さん。78歳です。

着想するさまざまなアイデアの基盤となっているのは、お客さんに楽しんでもらいたいという気持ち。
そして、この店は楽しいだけではありません。

「(麺は)のどごしもいいし、おいしいですね」
「すごく食べやすくて美味しくて、天ぷらも衣がもっちりしている」
   
その日の天気に合わせて毎日仕込むそばは、細麺でのどごしが良いと評判です。
昆布とシイタケでだしをとったそばつゆは、甘みと香りが特徴です。

店主こだわりの味を求めて、遠方からもお客さんがやってきます。
「刈谷からなのでなかなか来れないですが、年に4、5回、いや、もう少し来ています」

2年ほど前にオープンし、人気店となったこのそば店。
大きな特徴がもう一つあります。
    
「私としては、こういうことをやっていいの?という感じです」

お客さんがそのように話す理由は、客席を見下ろすように鎮座する仏さま。
実はこの店、元々お寺だった建物をリフォームして造ったのです。

お店の名前に含まれる慈恩寺(じおんじ)も、お寺の名称が由来ということです。

深津弘さん:
「(建物の状態が最初)すごくひどくて、これじゃ無理かなと思ったけど、わししかやれる人はおらんだろうなと思って引き受けた」
  
30年以上もの間、住職不在で荒れ放題だったというお寺。

かつて豊川市内で別のそば店を営んでいた店主は、「そばで地域を盛り上げたい」という地元の声に応えるかたちで、このそば店の開店を決意したといいます。

深津弘さん:
「(最初は)荒れ寺、(もしくは)お化け屋敷。(開店できるように)直すのに3年もかかった」
改修を助けてくれた地元の人たちの協力もあって、そば店は今のかたちとなりました。
    
“廃墟”から人気そば店に生まれ変われた理由について店主は、「みんな仏さんのおかげじゃない?」と感慨深げです。

へんてこ大根はおでんになり、お客さんのお腹へ

店のスタッフからはこんな声が聞こえてきます。
「大将の姿を求めて、お客さんが『来たよ』って」
「たぶん、大将の人柄で(お客さんが)増えていますよね」
スタッフにもお客さんにも愛される店主です。

すると、なぜか厨房へ向かった店主の深津さん。手には、店の入口にあったあのへんてこ大根を持っています。
10日ほど前に地元の農家にもらい、お店の入口に飾ってあったへんてこ大根をおでんにすると言います。

深津弘さん:
「おいしくなってよ、ごめんなさいねって」
「だから無駄にしちゃいけない」
食材への感謝の気持ちを込めて、調理していきます。

そして今日、こんなにたくさんダイコンのおでんができました。
食べたお客さんは「うまい!」と感激。
「(おでんになった)ダイコン、美味しかったですね」
「すごくやわらかい。とろけちゃうぐらいに、やわらかく煮込んであった」

「ありがとう。どうでした?」とお客さんのところに行き感想を求めた深津さん。
お客さんからの「美味しかった」の声を聞くと、「嬉しいこと言ってくれるね」と満足げでした。

地域に根ざしたこだわりのそば店。
今日も笑顔がいっぱいでした。

最終更新日:2025年1月25日 8:00
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