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人気の廃校カフェが突然、“違法状態”へ…休業を惜しむ声 三重・津市

2024年5月27日 15:05
人気の廃校カフェが突然、“違法状態”へ…休業を惜しむ声 三重・津市

「令和3年度廃校施設等活用状況実態調査」によると、少子化などの影響で毎年、平均約450校が廃校となっている日本。全国各地では地域のにぎわい創出を目的とした、廃校の“再利用”が各地で進んでいます。しかし、なかには“思いもよらないトラブル”から休業となってしまったカフェもありました。

モデルケースから一転、“違法状態”の対象へ

三重県津市の山あいに建つ『旧辰水小学校』。7年前に廃校になったこの学校でも、給食の元調理員らが月に1度、モーニングが自慢のカフェ『たつの和カフェさくら』を営業していました。

「恒例行事になっていた。(営業の)前の週ぐらいになるとそわそわしていた」、「味ご飯うまかったな」など地元の人々が笑顔で思い出を語るカフェ。毎回約100人が足を運び、行列ができる日もあるほど人気を集めていました。

しかし今年3月、突然、『たつの和カフェさくら』は休業することに。カフェの元運営メンバーは、「どうしようもない事情で(営業を)やめざるを得なくなったのは心残りというか…」と話します。なぜ、『たつの和カフェさくら』は休業することになったのでしょうか?

「辰水元気づくり協議会」の増井啓子副会長は、「4月1日からはもう違法状態になっちゃうので使えませんということで」と明かす。休業の理由は、去年、市から校舎の利用が“違法状態”だと指摘されたこと。防火設備に不備が判明したというのです。

「本当に青天の霹靂みたいな感じで。それまでは(市から)もっと活用してほしいと言われていて、モデルケースにしたいと言ってもらっていたんですけど」と増井さんは当時を振り返ります。

7年間校舎が使われてきた理由とは?

三重県津市によると、消防法・建築基準法で、カフェやイベントに使用する建物には、避難誘導灯などの設置が義務づけられています。しかし、学校は設置義務が免除(地階などを除く)されており、『旧辰水小学校』にも一部しか設置されておらず、廃校後も改修工事をしていませんでした。
それでも、7年間校舎が使われてきた理由とは。

「津市美里総合支所」の谷口竜二郎さんは、「大変申し訳ございませんが、7年前はそういう話は出なくて、この学校をこの状態のまま使っていただくことになっていたんですけど、今の状態で地域の方にお使いいただくのは難しいとなりました」と経緯を説明しました。

「貴重な場所だった」コスプレイヤーから惜しむ声も

再びにぎわいを失ってしまった『旧辰水小学校』。利用の再開を求める声は地元の人だけではありません。

「東海地方では旧辰水小学校くらいしかなかったと思うんですよね。貴重な場所が使えないという状況は悲しいですし、使いたいですよね」と語るのは、大阪在住のコスプレイヤー部活好さん。“コスプレ”と“廃校”、一体どんな関係があるのでしょうか。

実は、コスプレ撮影の穴場スポットとしても知られていた『旧辰水小学校』。部活好さんによると、実際に使われていた教室で撮影できる施設は珍しく、県外から足を運ぶ人もいたといいます。

「(旧辰水小学校は)いろんなところで学校のロケーションを利用して撮影できるのが魅力的ですね」と話す部活好さん。学園を舞台にした作品のキャラクターになりきったり、あえて学校とは縁が遠いようなコスプレで撮影したり、コスプレイヤーからも人気を集めていました。

地域が活性化していくなかで起きた問題。『たつの和カフェさくら』の再開の目処はたっていないとのことです。

最終更新日:2024年5月27日 15:05
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