“書店”減少で大ピンチ! 全国4分の1は「書店がない」自治体に “シェア型”や“24時間営業”で苦境脱却へ
全国的に数が減少している“書店”。年々減っていくピンチを乗り越えるため、いま本屋さんが様々な進化を遂げています。
20年で約8000店舗が減少・・・国も対策に動きだす
今年4月にオープンした、入場料が必要な書店・「文喫」(名古屋・中区)。オープンして約1ヶ月、休日には入場制限がかかる時間帯があるなど盛況だということです。
新たな書店がオープンする一方、ここ数年、名古屋の老舗書店が相次いで閉店。
全国的に見ても、書店数は減少の一途をたどっています。
2005年度には1万8608店舗でしたが、先月時点で1万873店舗と約20年で8000店舗近く減っているんです。(一般社団法人日本出版インフラセンター調べ)
さらに、全国1741自治体のうち482、全体の4分の1以上の自治体で”書店がない”というのです。東海3県でも、愛知で2、三重で6、岐阜で7の自治体で書店がありません。
そんな現状に、ついに国が動き出しました。経済産業省は今年3月、全国の街の書店を支援するためのプロジェクトチームを立ち上げると発表。
齋藤健経済産業相:
「街中にある書店は多様なコンテンツに触れることができる場として、創造性が育まれる文化創造基盤として重要だと考えています」
「リスク軽減」も 東京・名古屋に続々誕生“シェア型書店”
「書店の減少を食い止めたい」そんな思いで、”本の聖地”東京・神保町に今年4月にオープンしたのが、“シェア型書店”の「ほんまる」。
シェア型書店とは、一般の人が本屋の棚を借り、自身のおすすめの本などを並べ販売するというもの。月額4850円から借りることができ、一般の人だけなく、タレントや出版社など様々な人が棚を借りています。
この書店をつくったのは、直木賞作家の今村翔吾さん。
今村翔吾さん:
「いろんな人たちでリスクを分担するというカタチですよねシェア型書店というのは」「本屋ってハイリスクハイリターンのビジネスなので少しでもリスクを軽減できるという点が圧倒的に強いと思っています」
この取り組みは、名古屋でも。名古屋市千種区にある、犬と猫の専門書店「心音 books」。本の売り上げの一部を犬猫の保護団体に寄付しています。
店の大半を占めるのは、小さく区切られた本棚。ひと箱月額3300円から借りることができ、現在9割が埋まっています。縦30センチ・横40センチの空間に様々な人が個性的な本棚をつくっています。
ひと箱本棚オーナー:
「こちらが私の本棚になります。半分はデザインとか建築用の本を置いていて、半分は猫が大好きなので猫用の本を置かせて頂いています」
ひと箱本棚オーナー:
「こちらの映画の本屋の屋号の映画の本を集めまして、古い本ばかりなんですけどねみなさんに読んで頂きたいなと思いまして。学生の頃から集めていた本なのでもう絶版の商品ばかりなので本屋さんでは買えないんですけど、こういうところに来て頂いた若い人にも読んで頂きたいなと思いました」
本棚を借りる約3割が関東や関西など遠方に住んでいる人。ほとんどのオーナーは貸し出しのみですが、一部購入できる本もあるそうです。
「ここのコンセプトは犬と猫と人と街が結びつく場所みたいなそんな感じで考えているので、おすすめの本を紹介し合うとか活動できることで地域に本屋さんがないところのギャップを埋めるようなことができるといい」
常識を覆す!? “24時間営業”の本屋も
一方こちらは、名古屋市名東区にある三洋堂書店よもぎ店。今年4月から”ある常識を覆す!?”取り組みを始めました。
午後11時前、レジにカーテンをかけ、営業終了かと思いきや・・・店内にはまだお客さんの姿が。実はここ、24時間営業!「いつでも、いつ行っても開いている」書店なんです
午後11時以降は店員がいなくなるため普段のように入ることはできませんが、顔認証を行うことで自動トビラが開くというもの。登録不要のため、誰でも利用可能です。
時間帯によっては、店内に自分一人なんてことも。ゆっくり本を吟味し、会計はセルフレジでできます。
三洋堂ホールディングス 加藤 正康 業務開発室長:
「市場が縮小してきまして厳しいという状態がありましてどうしても経費削減のためには営業時間を短くせざるを得ない状況が続いてました。(24時間営業で)営業時間が延びますので、売り上げが伸びるというのもありますけど、まだ開いている本屋ということで便利に使って頂けたら」
午前1時近くにやってきた、こちらの二人。仕事で使うプログラミングの本が欲しいといいます。
客:
「ネットで買おうかなと思ったんですけど実物を見たかったのでちょっと寄りたいなと思って」
中身を実際に確認し、自分にあった本を探します。でも、一体なぜこの時間に?
客:
「主婦は家事が終わらないと終わるとだいたいお店も終わっているので。(この時間に本を買うのは)なんか異次元体験というか。やっぱり紙をこう実際持ってみるのが好きです、私はどちらかというと、なので本屋さんはずっとあってほしいなと思っています」