保守王国の牙城崩す 福井2区で議席奪還 比例復活含めて野党候補3人が当選 投票率は57.39%と低迷 衆議院議員選挙
政治への信頼を問う政治決戦。保守王国・福井でも大きなうねりが起きました。27日投開票が行われた衆議院議員選挙では、県内から前職と元職それぞれ1人と新人2人が当選しました。
福井2区で保守が独占していた議席を24年ぶりに奪還した立憲民主党新人の辻英之氏。2000年に元衆議院議員の父・一彦氏が議席を失い、2014年に国政に挑戦した兄の一憲氏も及びませんでしたが、今回ついに保守の牙城を崩しました。
■立憲民主党 辻英之氏
「兄については多分、彼がこの場に立っていただろうと。無念を…」
「私が受け継ぐ、そういう気持ちで戦ってまいりました」
初当選を果たした辻氏には、政治改革をはじめ、福井の課題解決に向けた手腕が問われます。
■立憲民主党 辻英之氏
「生活に苦しむ人、働く人、弱い立場の人、この声をきちんと国政に届けること。そして誠実な政治姿勢を貫くこと。もちろんクリーンな政治を、当たり前ですがしっかり行うこと。これが求められている」
「福井を代表する福井の課題をきちんと日本に届ける。そんな政治家になることを約束します!」
一方、9期目を目指したベテランの高木毅氏は、政治とカネをめぐる問題や選挙での非公認、さらに保守分裂の影響もあって落選しました。
■無所属 高木毅氏
「すべて私の不徳の致すところ。改めて皆さまに心からおわびを申し上げる。誠に申し訳ありません」
「(Q.今後については?)白紙です」
福井2区で2番手につけた日本維新の会・元職の斉木武志氏。比例での復活当選を信じ待ち続けました。当選確実の一報が入ったのは午前2時すぎ。悲願の小選挙区での勝利とはならなかったものの、3年ぶりの国政復帰です。
■日本維新の会 斉木武志氏
「維新に対しては逆風が強くて、全国的に議席を減らした。そうした中で、福井県で初めて維新の党籍を持つ国会議員が生まれるのは、特に福井の課題というと(新幹線の)小浜ー京都ルート。大阪で維新が全勝しましたので、うまく接点を見出していくのが私の使命」
「政治とカネ」が大きな争点となった今回の衆院選。7期目を目指した自民党の前職・稲田朋美氏も厳しい戦いを強いられ、当選が確実となったのは夜11時ごろとなりました。
■自民党 稲田朋美氏
「なかなか当選も出ないし、一体どうなっているのとやきもきさせたと思う。本当に申し訳ありません」
今回大きく議席を減らした自民党。今後の政権運営についても見通しを語りました。
■自民党 稲田朋美氏
「過半数を与党でとっていない。少し試練が続くのかな」
「(Q.野党との協力は?)そこまで言える立場でないが、ある程度模索もしないといけない」
稲田さん相手に接戦を演じた元越前市職員で立憲民主党新人の波多野翼氏。公示直前の出馬表明でしたが、一気に支持を広げ、比例代表で復活当選を果たしました。
■立憲民主党 波多野翼氏
「つい2週間前までは越前市役所にいて、政治の部分に全く関わっていなかった」
「政治家としてどんなことができるか、正直今のところ分からない。今後も皆さんの力を貸してもらって、一緒に福井を日本を盛り上げていけたら」
いわゆる“裏金問題”で高まっていた政治への不信感。その波は保守王国にも押し寄せ、野党系3人に対し、保守系候補の当選は1人にとどまりました。一方で、投票率は57.39%と前回と同じ水準で、依然として低調な結果に終わりました。票を投じれば政治は変えられることが証明されたことで、政治への信頼回復とあわせて関心の高まりが期待されます。