【独自密着】命がけ“越前がに漁”解禁!地元に活気と笑顔をもたらす 漁獲制限に燃料費高騰、人手不足も…過酷な現場で東南アジアからの出稼ぎ漁師も活躍

■解禁から時化で海に出れず、2日遅れの越前がに漁
越前町漁師 小平 一博 さん
「1年でカニが一番とれる日で緊張します。やっぱり力入りますね」
越前町の漁師で第三昭栄丸の船長、小平一博さん。時化の影響で解禁から2日遅れの越前がに漁はようやく初日を迎えました。
■まだまだ海は荒れ模様
FBC 吉岡 弘起 記者
「波の高さはうねりを伴って、高さ3mと海は荒れています」
小平 一博 船長
「もっと揺れるんやで。7時になったら全速で走るから(船の)中に入っていないとあかんぞ」
前線が通過したばかりの会場は、まだまだ荒れ模様…。
午前7時。当たりをつけた魚場を目がけて一斉に出航します。
小平 一博 船長
「周りを見ていないと。(漁場の)イスとりゲームみたいなもの。近くで操業していて周りを見ながらやらないと」
船長の合図と共に乗組員は網を沈めます。岩に引っかけないように潮の流れを計算しながら、深さ250mほどの海底に沈めます。1時間ほど引いた網を巻き上げると、オスのズワイガニやメスのセイコガニの姿が。
■今シーズンはカニの大きさや数を制限
海禁から2日遅れで始まった越前がに漁。今シーズンはカニの大きさや数を制限していて、漁師にとって厳しい船出となっています。資源量が回復し、豊漁が期待できる今シーズンも、県内では自主的に漁獲制限をしています。
オスのズワイガニでは、甲羅の幅の基準をこれまでの9cmから10cmに大きくして、小さいカニは海へ返します。
またメスのセイコガニも、一隻あたりの24時間の水上げ量を8000杯から 5000杯に制限していて、その分、海の上での作業にも手間がかかります。
小平 一博 船長
「ちょっとプレッシャーというか、緊張はしますね。沖に漁に出られないと、TAC(漁獲量可能)制限もあるので、ほどよく漁に出られたら」
食事は漁の合間をぬってご飯をかき込み、次の網入れに備えます。愛妻弁当もゆっくり味わう余裕はありません。
乗組員
「ご飯食べる暇があるってことは、そんだけ量がないってこと。解禁日にそれはあかん」