越前和紙「越前鳥の子紙」 政府がユネスコ無形文化遺産への登録を推薦 平安時代から続く伝統の技
世界的に貴重な伝統文化を保護するユネスコの「無形文化遺産」について、政府は18日、越前和紙の一つ「越前鳥の子紙(とりのこし)」を登録するよう推薦することを決定しました。(12月19日)
つやつやと滑らかでほのかな黄色が卵に似ていることからその名が付けられ、平安時代から受け継がれています。推薦の決定を受けて、地元からは喜びの声が上がりました。
■越前生漉(きずき)鳥の子紙保存会・栁瀨晴夫さん
「できる限り私たちがいい雁皮紙(鳥の子紙)をすいて、触ってもらい使ってもらい。みんなで保存会を盛り上げていきたい」
10年ほど前にはわずか1軒まで減少した鳥の子紙の職人。産地では保存会を結成し、若手職人へと1500年の伝統技術を受け継いでいます。
■若手職人・谷口美紗貴さん
「いつもの紙よりもさらに繊細で、(すくのが)難しいけれど面白い。(鳥の子紙を)作っている側としてはこれからも懸命に頑張っていきたい」
順調に審査が進みますと、2年後の秋にユネスコの政府間会議で登録が認められる予定で、越前市は世界に向けて福井が誇る和紙文化をPRしていきたいとしています。
無形文化遺産は世界的に貴重な伝統文化を保護するため、ユネスコ国連教育科学文化機関が各国の推薦を受けて登録するもので、和紙は2014年に登録されましたが、当時は保存団体がないという理由で越前和紙は対象に入っていませんでした。