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値下がりなるか… JA福井県が県産米の全量買い入れへ 政府放出"備蓄米"の入札始まる

2025年3月10日 20:27
値下がりなるか… JA福井県が県産米の全量買い入れへ 政府放出"備蓄米"の入札始まる
入札するJA福井県の担当者=10日午前9時ごろ、福井市内

コメの流通を円滑にするため、政府が放出する備蓄米の入札が10日から始まりました。JA福井県は、対象となった全ての県産米の買い入れを目指して入札しました。

初回の入札は、全国の合わせて41品種15万トン分が対象で、このうち県内産は「ハナエチゼン」と「あきさかり」の2400トンあまりが含まれています。

■リポート 吉岡弘起記者
「コメ価格の動向のカギを握る備蓄米。JAの担当者が入札金額を入力しています」

■JA福井県の担当者
「最終確認です。お願いします」

入札はオンラインで行われ、JA福井県では県内産の備蓄米を優先に買い入れる方針で、現在の取引価格並みの金額で札を入れたとみられます。

■JA福井県の担当者
「オッケーですか?送りますね」

■JA福井県の担当者
「今回の入札では提示されている数量は取りに行った。価格の水準、ボーダーラインが分からないので(他県の業者が)県産米を取りに行く場合、競合になるのでそちらとの価格の競り合いになる」

備蓄米は数量に加えて、産地や銘柄ごとに収穫された年や保管場所が示され、最も高い価格を提示した業者に落札される仕組みとなっています。また、落札したコメは1年以内に返還するという条件が付いています。

備蓄米の入札開始を受けて、消費者からは歓迎の声が。

■主婦
「少しでも安くなればありがたい」
■主婦
「大いに期待してる。普通なら安くなるはずですよね」
「農家は大変な労働なので、その人に回るならある程度やむを得ないけど、滞ってもうける人がいると許せない」

去年のコメの生産量は、前の年より18万トン増える見込みなのに対し、市場に出回っている量は逆に23万トン少なくなっていて、今回の入札の対象となるのは、いわば「消えたコメ」の不足分を補うものです。

こうした中、県内の米穀店では備蓄米放出による市場の推移に注目しています。

鯖江市内の米穀店の4代目黒田拓哉さん(28)です。

■黒田拓哉さん
「今の取引が関東・関西で(60キロ当たり)5万円、4万9000円から4万8000円となっている。備蓄米の放出が決まってからも値上げの話が来ている。今のところ下がる話は一切聞いてはいない」

黒田さんは県内の生産者から直接買い付けているものの、仕入れ価格の上昇に伴い、10キロ当たりの店頭価格は4割ほどの値上げを余儀なくされました。今回の備蓄米の放出を受けて"まちの米屋"として、独自の対策を検討しています。

■黒田拓哉さん
「(令和)6年産の足りない分を7年産に後回ししているだけ。結局7年産で足りなくなる。今後、ブレンド米で安く提案できるような、独自でブレンドしたおいしいコメを展開していこうと考えている」

先週末に開かれた生産農家の交流会。ここでも話題となっていたのは、備蓄米の入札でした。

■越前市内の生産者
「これから若手農家が増えていく中で、収入があった方がいいということがある。(備蓄米の)放出は避けてほしかった」
■鯖江市内の生産者
「備蓄米でも何でもスーパーに並んで、選択肢を増やしてほしい」
■越前町内の生産者
「農業資材など値段が上がってきている。そのバランスの中で、消費者の皆さんにも応援してもらえる気持ちを持ってもらえるとありがたい」

なお、農林水産省では残りの6万トンについても、速やかに入札の準備を進めるとしていますが、どこまでコメの値下がりにつながるかは依然として不透明です。

最終更新日:2025年3月10日 20:38
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