争奪戦のコメ確保へ 卸売会社と生産者がタッグ 多収品種を栽培予定 "備蓄米"は3月下旬にも店頭に
コメ価格の高騰を抑えるため、政府が放出する備蓄米。1回目の入札は10日に行われ、県内産のハナエチゼンを含む15万トン分が対象となります。
福井市内のコメ卸売会社では、弁当や外食の業務用向けの需要の高まりを受け、今シーズンから県内の生産者とタッグを組んで、合わせて200ヘクタールの水田でコメを栽培します。
普通のコメより収穫量が3割から4割多い多収品種を採用する予定で、量を確保し、安く販売できるメリットがあるといいます。
■福井精米 外商部 早川亜美さん
「生産者にとっては、ひとつの田んぼからコメを得られるので、収入の向上につながります。高温耐性を持ち、品質が落ちない面からも(消費者に)比較的手の取りやすい価格で品質の良いものを選んでもらえる」
コメの争奪戦が続く中、卸売業者もコメの確保に懸命です。
スーパーで販売された5キロ当たりのコメの平均価格は、2月中旬時点で3939円。前の年と同じ時期と比べて9割以上もアップし、政府が備蓄米の放出を表明した後も値上がりが続いています。
農林水産省が発表した備蓄米に関する入札の概要によりますと、売り渡されるのは全国の41品種。県内産ではハナエチゼンとあきさかりの2つの品種が対象で、2等米を含めた玄米ベースで、ハナエチゼンが1993トン、あきさかりが468トン、それぞれ入札にかけられます。
県内では、JA福井県が入札に参加する予定で、担当者は「コメの販売先となる卸売業者の要望を聞きながら、県内産を優先に入札する量を決める」と話しています。
なお、備蓄米は早ければ3月下旬から食品スーパーの店頭に並ぶ見通しですが、どこまでコメの値下がりにつながるかは依然として不透明です。