被災住宅のリフォーム工事始まる あわら市の男性「何とかこの場所で」 能登半島地震からまもなく1年
元日の能登半島地震からまもなく1年。被災したあわら市の住宅では、ようやくリフォーム工事が始まりました。不便な生活を余儀なくされている被災者の男性は「やっと自宅の風呂に入れる」と安堵しています。
あわら市の自宅で理容室を営む渡邊康徳さん。あわら市は元日の能登半島地震で震度5強を観測し、渡邊さんと両隣の合わせて3軒の住宅は応急危険度判定で「危険」と判定されました。両隣の住宅は解体されることになりましたが、渡邊さんは自宅をリフォームして住み続けることを決めました。
■渡邊康徳さん
「やっぱり店商売しているし、利用客も来るので。幸い店は大丈夫だったので、何とかこの場所でやっていけるかなと」
市営住宅に移り住むことも考えましたが、足の悪い80代の両親とネコが一緒に暮らしているため、元日以降も許可を得て、自宅に住み続けていました。しかし、地震の影響で給湯器が壊れて風呂が使えないため、入浴は毎晩、市内の温浴施設に通っていました。
今月中旬からようやく始まったリフォーム工事。地震の影響で沈みこんだ家の増築部分を工具で持ち上げ、応急処置としてブロックを差し込んで建物を水平に戻すことで、年内には風呂も使えるようになるそうです。
■Taku建築工房 髙田孝次郎代表取締役
「お湯も出ない状態で大変な生活だったと思う。年越しに関しては、風呂にゆっくり入ってもらって、1年間の苦労を解消してもらえれば」
■渡邊康徳さん
「おかげさまで今年中に(風呂に)入れるそうなので。早いものでもう1年かという感じがあって、ようやく明るい兆しが見えた。安堵はしている」
地震からまもなく1年。不便な生活を余儀なくされている県内の被災者も、少しずつ日常を取り戻そうとしています。