北九州市の企業トップに聞く 大規模火災や2024年問題など課題が山積 賃上げには意欲的
北九州市で9日、地元企業のトップが集まる新年恒例の賀詞交歓会が開かれました。飲食店街で起きた大規模火災や2024年問題など課題が山積するなか、ことしの展望を聞きました。
9日、北九州市小倉北区で開かれた賀詞交歓会は、4年ぶりの通常開催となりました。地元企業のトップなど、およそ1000人が出席しました。
■財津ひろみアナウンサー
「年始から、またも大規模な火災が発生した北九州市。企業のトップは、ことしの北九州の経済や街づくりについてどのように考えているのでしょうか。」
テーマごとに分けて、各企業のトップに直撃しました。
まずは、主催者である北九州商工会議所の津田会頭です。1月3日に大規模な火災に見舞われた、鳥町食道街の今後について聞きました。
■北九州商工会議所・津田純嗣会頭
「まだ無理ですね。24年度はまだどういう形にするのかの構想ができるくらいだと残念ながら思っています。」
まずは全体の状況を把握し、どういう支援が適切なのかを考えていく段階だとの見方を示しました。
百貨店・井筒屋の影山社長は「火災からの再生」について、支援への声をあげました。
■井筒屋・影山英雄社長
「被災された方、テナントでお付き合いとか実はありますから、そういった意味でなんとか盛り返していただきたいなとできることはすべてやります。」
そのうえでことしは、”人材確保”が最優先課題であると強調しました。
■影山社長
「(賃上げは)はっきりは言えませんが、少しずつきちんとやっていかないといけない。特にいま、非常に大事な項目だという認識は持っています。」
”2024年問題”に触れたのは、第一交通産業の田中社長です。人材確保のための対策について言及しました。
■第一交通産業・田中亮一郎社長
「なるべく早く、人を補充できるような仕組みをやっていきたい。そのためには賃上げをしていくし、もしかしたら運賃の改定もさせていただくかもしれない。」
去年、8パーセントから10パーセントの賃上げを実現し、ことしも継続したい考えです。
賃上げに関しては、ほかの企業からも意欲的な発言が相次ぎました。
■TOTO・清田徳明社長
「賃上げも前向きに取り組みたいです。少なくとも恥ずかしくないような数字で上げていきたい。」
■安川電機・小笠原 浩会長
「大企業の世間並みには絶対、上げます。それにちょっと足すくらいは上げますが、目立った上げ方はできません。」
ものづくりのまち北九州では、各企業が抱える課題はあるものの、展望を前向きにとらえる姿勢が見られました。