【育休を考える日】気兼ねなく取れましたか? 同僚に手当を支給する制度とは 一方で「とるだけ育休」の指摘も 福岡
9月19日は「育休を考える日」です。育児休暇を取得する人が増える一方で、まだまだ取りづらさを感じる人も多いかと思います。より取得しやすい環境をつくろうと、九州電力では9月、新たな支援策を始めました。
乳幼児の親子が利用できる福岡市の施設で、育休中のお父さん、お母さんに聞きました。育休、気兼ねなく取れましたか。
■育休中の人
「僕の会社はすごく理解があって、上司も育休ぜひ取ったほうがいいと背中を押してくれた感じです。」
「(問題は)特になかったです。皆さん取っていたので。男性も取った方が多いです。」
一方で、こんな声もありました。
■育休中の人
「誰かが私の仕事をしていただかないといけないので、少しは申し訳ないという気持ちはあります。」
気になるのは、育休の間、同じ職場の人の負担が増えないかということです。
こうした中、九州電力では、新たな制度が始まりました。
15人が在籍するリビング戦略グループでは、現在、3人が産休や育休を取得しています。9月から始まった「育児サポート応援金」は、育休を取得した従業員の業務をカバーする同僚たちに、手当を支給する制度です。
支給対象となるのは1か月以上の育休取得者がいる職場で、支給額は職場の人数などにより、1人あたり年間8000円から1万4000円程度です。
9月1日時点で1か月以上の育休取得者は51人で、その同僚の550人ほどが支給対象になっているといいます。
■同僚
「大変な部分もあるとは思うのですが、確かにこの制度ができて、より気兼ねなくというか遠慮せずに取れる雰囲気ができるのかなと思っています。」
「やはり、制度があるのとないのとでは、より前向きにお互いに受け止められるのかなと思っています。」
ことし2月から育休を取得している、石川純子さん(35)です。
■石川純子さん
「私が育児休職を取ることで、職場への負担というのを少し心配していた部分もあったんです。」
応援金の存在を知り、育休を前向きに捉えられるようになったといいます。
■石川さん
「応援金をきっかけに、育児に興味、 関心を持ってみんなで支え合おうということになるのかなと思います。支えてくれている立場の皆さんを支援する制度が始まったのは、本当にいいことだと思います。」
九州電力によりますと、育休の取得率は昨年度、男性を含めて100パーセントとなっています。ただ、男性は2週間程度の人が多く「これを機に、より長く育休を取得できる環境をつくりたい」としています。
「とるだけ育休」を指摘
「育休を考える日」の9月19日、大手住宅メーカーの積水ハウスが「男性育休白書」というものを発表しました。全国の夫婦に9400人に調査したもので、この中では、都道府県別に男性が育休を取得した平均日数が算出されています。1位が徳島県で44.7日、全国平均が29.7日です。では、福岡県はといいますと。
全国6位、36.7日です。結構、上位ですよね。全国的にもここ3年ほどで、取得日数が大きく伸びているということです。
ただ、白書が指摘している課題の1つがこちらです。
「とるだけ育休」。
育休を取得しても、家事や育児を行わないということです。夫の育休について「とるだけ育休」だったと、どのくらいの妻が感じているのかというデータもあります。
実に42パーセントに上りました。つまり、育休を取得した4割以上の夫が「休んだのに家事・育児をしない」と思われているのです。
夫婦間の認識というのはなかなか難しいところもありますが、育休を取得する側、特に男性の意識の変化も重要ということではないでしょうか。