「売り上げが計上されていない」学生が国税専門官の仕事を体験 JAは学生向けの農業機械の研修会「将来の人材確保に」 福岡
税金の徴収などを行う国税専門官や、収穫などの農業機械を操作するオペレーターなど。学生たちに、専門的な仕事に関心を持ってもらおうという取り組みが9日、行われました。
■学生
「売り上げが、どこにも計上されていない。」
■レストラン社長役
「入れてる、入れてる。」
福岡国税局で行われたのは「仕事体験」のイベントです。学生たちは、納税者から提出された確定申告書が正しく報告されているかを調査する国税調査官にふんして、納税額を少なく申告しているレストランの社長を追及するというシミュレーションに臨みました。
■学生
「カレンダーに記載の子ども会は、領収書もレジロールにもないので、無料で開催したんですか。」
■レストラン社長役
「無料で開催しました。」
学生たちは、カレンダーには11月7日に子ども会に弁当を出したと書かれているのに、売り上げが計上されていないことに気づきました。
■学生
「主催の団体に確認を取っても大丈夫ですか?」
■レストラン社長役
「いや、うーん。すみません、やりました。」
この取り組みは、確定申告の調査や税金の徴収を行う国税専門官の仕事に関心を持ってもらおうと、福岡国税局が毎年開いているものです。今回はおよそ70人の学生が参加しました。
■大学3年
「こういう仕事内容が体験できて、身をもって仕事内容がわかったので、これから働く時のイメージもできた。」
■大学3年
「資料から、自分たちで間違いとか、どういう意図でそこを修正してるのかを考えるのが楽しかった。平等性を守るためには必要な仕事なので、魅力はあります。」
■福岡国税局 人事2課・田口和隆さん
「国税・法律・会計ですね。専門知識を駆使して仕事ができるので、自分自身をずっと高めることができる職場なんですよといったところが伝われば。」
来年度の国税専門官の採用試験の受け付けは、来年2月下旬から始まります。
また、農業の分野でも人材確保に向けた取り組みが行われています。福岡県筑紫野市の畜産用のエサに使われるとうもろこしの畑では、大学生などを対象に収穫用の農業機械の操作を学ぶ研修が行われていました。
近年、農業の担い手の高齢化や、後継者不足の深刻化が懸念されています。そこで、JA全農ふくれんが目をつけたのは、“すきま時間”です。
■JA全農ふくれん・行武大樹さん
「最初から“農業しましょう”だと壁ができてしまいますので、ちょっとした時に農業ってこれだけ楽しいと経験してもらい、それからどんどん幅を広げてもらおうと。」
この研修に参加した福岡市内の大学に通う女性は、宮崎の実家が農業をしているといいます。
■大学3年
「“仕事をしながらお手伝い”みたいな。週末だけ、土日だけでもというお話だったので、私も違う仕事をしながら農業に携わることができると思って。」
JA全農ふくれんは、機械の操作は簡単で力も必要としないため、将来的に幅広い人材の確保につながればと期待しています。