『2024年問題』見据え 九州自動車道でトラックGメンが運転手に聞き取り調査
トラックドライバーの不足が懸念されている『2024年問題』についてです。トラック運送をめぐる不適正な取引を監視する『トラックGメン』が10月3日、運転手に聞き取り調査を行いました。
■トラックGメン
「何か荷主さんの情報で困っていることや強要された場合に、これを読み取っていただくと、国交省で収集しているので。」
3日、九州自動車道のパーキングエリアを訪れるトラック運転手に声を掛けるのは、九州運輸局の『トラックGメン』です。
長時間にわたる待機や運賃の不当な据え置きなど、荷主との間で不適正な取引がないかドライバーから直接聞き取りました。
■九州運輸局 貨物課・東祐樹 課長
「得られた情報については私どもで情報を集約して、そのうえで該当する荷主が判明した場合には、是正に関する働きかけや要請とか、そういった行動につなげられるようにしていきたい。」
■運送業者
「ドライバー側からも言えるように、こういう取り組みがあると、どんどん声を上げていきやすいのかなと思います。」
聞き取り調査は今回が初めてで、トラックGメンは今後も情報収集に力を入れていくことにしています。
『2024年問題』についてまとめます。労働基準法では、これまで時間外労働の上限が定められていませんでした。それが2024年、つまり来年4月からは『年960時間』という上限が設けられます。国土交通省によりますと、この『2024年問題』に具体的な対策を講じなかった場合、必要な輸送能力が、2024年度には約14%、2030年度には約34%、足りなくなる恐れがあるということです。
『2024年問題』への対策を取り始めている福岡の企業もあります。ディスカウントストアを経営するミスターマックス・ホールディングスでは、国が推進している『ホワイト物流』という運動を9月にスタートさせました。以下がその内容です。
①予約受け付けシステムを導入
→納品時間を事前予約制にすることでドライバーの待機時間を解消
②船舶や鉄道の積極的利用
→出荷量に応じて輸送方法を使い分けることで、トラック輸送の負荷を軽減
『2024年問題』をめぐっては、ほかにも複数の企業で『ホワイト物流』を推進していて、同じトラックで共同配送を行い、1日の配送回数を減らすなどの取り組みも進んでいます。