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見た目も味もインパクト抜群の「天空葱」 市場に出回らない幻のネギが農地再生のカギ!?【アナたにプレゼン・テレビ派】

2025年3月5日 16:07
見た目も味もインパクト抜群の「天空葱」 市場に出回らない幻のネギが農地再生のカギ!?【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。地方創生をお伝えする宮脇靖知アナウンサーが、廿日市市の幻のネギ「天空葱」と、その先に見る農地再生についてお伝えします。

見た目も名前もインパクトがある「天空葱」は、廿日市市原の速谷神社から、車でおよそ5分から10分ぐらい山を登った場所で栽培されています。

「天空葱」を栽培しているのは、廿日市市出身の村上友二(ともじ)さんです。「天空葱」が幻のネギと言われる理由は、村上さんが趣味で栽培しているため、市場に流通していないからです。

「天空葱」の名前の由来は、瀬戸内海を見渡す天空のような高台の場所で栽培しているかだらそうです。自分で名前を付けて、ラベルも自ら作成しました。

「天空葱」 を栽培するようになったきっかけは、ある人との出会いでした。山形県で「ねぎびとカンパニー」という会社で、代表を務める「初代葱師」称した 清水寅(つよし)代表です。「ねぎびとカンパニー」は、ネギの生産技術や農業経営を広めていくことによって、世界で戦える企業として、外国産の安い野菜が入ってきても、勝負できる国産野菜をみんなで作っていくという取り組みをしています。

「ねぎびとカンパニー」では、ブランドの「寅(とら)ちゃんねぎ」を栽培しています。その中での最上級葱の「モナリザ」は、1本1万円です。太さはおよそ6cmで、生産量は、年間5本から10本です。万が一、その年に「モナリザ」クラスの葱ができない場合は、生産しない・売らないと決めています。また、桐の箱に入っています。目的は、この他の「寅ちゃんネギ」の価値もしっかり高めていくことです。

「天空葱」の生産者・村上さんは、広島市に本社を置き、三原市に農場を持つ大成農材の社員です。魚のエキスを使った有機100%の肥料を、「寅ちゃんねぎ」の生産者・清水さんが使用するようになり、交流が生まれたそうです。村上さんは、「あの葱を作る肥料について、自分ももっと知りたい」という思いから、自らネギを作るようになりました。

「天空葱」が大きく育つ理由として、重要なのは「土寄せ」という作業です。葉っぱギリギリのところまで土を寄せることによって、葉っぱが上へ上へと元気に育ちます。そうすることで、木の年輪のようにぎっしりと中身の詰まったネギが完成します。これまでの最高記録は、太さ4.7cm、糖度20.4度だそうです。

「天空葱」は市場に出回っていませんが、広島市内の飲食店3店舗だけに卸しています。1番のおすすめは、鍋の中に豪快に入れて、煮えてきたら先からハサミで切って、鍋の具材として食べることだそうです。また、シンプルに焼くだけでも、十分な甘さがあります。

また、「天空葱」と同じ肥料を使って、トマトの生産やトマトジュースの製造をしています。ミニトマトは、大きくてきれいな色をしており、香りもよく、程よい酸味と甘さのバランスがあります。トマトジュースは、無添加100%で甘いのにすっきりとして、飲みやすいです。

「天空葱」は、耕作放棄地で栽培されています。耕作放棄地は、数年放置していると、山のような形になってしまうことから、ネギを栽培することによって、農地を再生していこうとしています。

村上さんは、ネギは簡単に栽培できることから、週末だけ畑を訪れて栽培し、さらに中山間地域が多い広島県で、耕作放棄地を再生していきたいという思いがあります。村上さんが畑を訪れるのは、週末だそうです。働きながらでも栽培できることを、多くの人に知ってもらいたいと話しています。トマトやトマトジュースは、3月末に開かれる「フェムミナーレ」という広島テレビのイベントでの販売を予定しています。幻のネギ「天空葱」の栽培を通して、農地を再生する村上さんの取り組みでした。

最終更新日:2025年3月5日 16:07
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