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障害ある人が得意をいかしてバレンタインデーのチョコ作り やりがいを持って働く環境についてプレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

2024年2月7日 10:50
障害ある人が得意をいかしてバレンタインデーのチョコ作り やりがいを持って働く環境についてプレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は、バレンタインのチョコ作りを通して、「障害者がやりがいを持って働く環境」をプレゼンします。

まず紹介するのは、『社会福祉法人みどりの町』が運営する、東広島市高屋町の「ベーカリーHaLÜ(ハル)」です。事業所の利用者は現在21人で、知的障害、精神障害、身体の障害など様々な障害のある方が、「仲間」と呼び合ってパンを作っています。三原市大和町のはとむぎを使った植物性100%のパンを販売しています。人気パンには、マシュマロ食パンなどがあります。

パン作りには様々な工程があることから、作業が大変ですが、ここでは一人一人が得意な分野を生かして、チームで取り組んでいます。細かい作業が得意な人が多く、職員よりも素早く、きれいに作ることができるそうです。

そして、各々の得意分野を存分に生かせるように、2024年初めてバレンタインのチョコレート商品「フォンダンショコラ」を開発しました。厳選したカカオと米粉のほろ苦い生地に、カカオとてんさい糖と豆乳で作った濃厚なチョコレートが溶け出します。

他にも、自家製ベリーソースを使ったベリーと、バナナの3種類があります。2月1日からの発売で、東広島の「ベーカリーHaLÜ」、三原にある「ベーカリーHaLÜ+」、「道の駅西条のん太の酒蔵」でも購入できます。

閉校した学校を利用したチョコレート専門店は…

続いて、竹原市田万里町の『あさひチョコレート工房』です。『社会福祉法人 平成会』が運営しています。閉校した田万里小学校の校舎の元理科室をそのまま利用したチョコレート専門店で、事業所の利用者は、主に知的障害のある方およそ60名です。

チョコレート作りを始めたきっかけは、6年前の西日本豪雨でした。事業所が被災し孤立状態となり、利用者に提供できる仕事がなくなってしまうことがありました。災害に左右されない自主製品を作ろうという話になったところ、利用者から「かっこいい仕事がしたい。ショコラティエはどうだろうか?」という案が上がったそうです。

その後、チョコレートを研究する広島大学名誉教授の佐藤清隆さんの監修で、製品化されました。「あさひチョコレート工房」が作るチョコレートの特徴は、「Bean to Bar」と言って、カカオ豆の状態からチョコレート1枚になるまで、一貫して製造するということです。

通常のお店は、カカオ豆がすりつぶされて練り上げられた状態から作業することが多いのですが、こちらでは、カカオ豆を自家焙煎し、一粒一粒手作業で皮と胚芽を取り除くことで、雑味のないチョコレートに仕上げています。カカオ豆の皮むきはとても根気がいりますが、この作業を好きで、一日中何時間も黙々と作業する利用者もいるようです。

「あさひチョコレート工房」のバレンタインチョコレートは、「ダークあまおう」と「ホワイトあまおう」です。無添加の福岡県産あまおうのフリーズドライを使用しており、見た目も味も楽しめます。

また、障害のある人が描いたデザインを元にしたパッケージのチョコレート商品もあり、すでに販売中です。「あさひチョコレートカフェ」や、インターネットショップ「ショコラナビ」や、2月8日からは、広島そごうで開催中の「チョコレートパラダイス」で販売されます。

最後に、今回取材した「ベーカリーハル」と「あさひチョコレート工房」のスタッフに、障害者が働きやすい職場や社会に必要なことを伺いました。「ベーカリーHaLÜ」の近藤さんは、「障がいの有無を問わず、それぞれの得意を活かし、苦手を補い合うことが大切」と話していました。また、「あさひチョコレート工房」の三宅さんは、「障がいの有る無しにかかわらず、周りが障害を理解して、個性を受け入れることが必要。」と話していました。共通していたのは、「障害の有無を問わず」ということでした。お互いが理解、そして協力し合い、誰もが自分らしく働ける社会になることが望ましいと感じました。

【テレビ派 2024年1月31日放送】