「山」「川」「海」私たちの暮らしから切っても切れない環境で放置竹林問題に取り組み持続可能な未来を目指す男性【徳島】
6月の第1週目、日本テレビ系列各局では「Good For the Planet week」 と題して、“地球にいいこと”を皆さんと一緒に考えていきます。
「フォーカス徳島」では放置竹林問題に直面する徳島県阿南市で竹を活用し、新たな産業を生み出し続けている男性をご紹介します。
(庄野洋平さん(39))
「こっち倒すんで、そこどいてもらえたら」
(庄野洋平さん(39))
「(竹と竹の間が)詰まってきているのでそこを切ってあげると、今度新しく生えた若竹がすくすく伸びて栄養蓄えて、おいしいタケノコをどんどん生やしてくれる。順番に竹も世代交代をしていっている」
阿南市福井町、タケノコを栽培している「阿波たけのこ農園」です。
間伐され手入れが行き届いた竹林では、日の光が土壌まで差し込みます。
健康な竹の中で循環された水は地下を流れ、ふもとに豊かな生態系を築き上げます。
庄野洋平さん・39歳、先祖代々受け継がれてきたこの竹林を今は家族で管理しています。
(阿波たけのこ農園 庄野洋平さん(39))
「竹がたくさん生えすぎてしまうと、光が林床という土に当たらないぐらい混みあってしまい、下草も生えないし山が荒れる。そういう山だと、大雨とか台風が来た時に土砂崩れとか災害の原因にもなってしまう」
阿南市は全国有数のタケノコの産地ですが、後継者不足で放置竹林が増え、社会問題となっています。
幼いころから竹林で遊び育ってきたという庄野さんは、豊かな竹林を取り戻し、未来へつないでいくために活動を続けています。
竹林の維持のため間引きされた竹を、庄野さんが次々軽トラックへと積み込んでいきます。
(阿波たけのこ農園 庄野洋平さん(39))
「これをパウダーにして、色んな素材の原料になる」
持ち込んだ先は、那賀町の木材加工会社「那賀ウッド」です。
庄野さん自身が2014年に立ちあげ、副社長を務める会社です。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「ここに材料を投入して放り込んだら、一連のラインで細かく砕かれながら、これが乾いたサラサラのパウダーになって仕上がる」
これまで燃やすしかなかった間伐竹が、様々な製品に活用されるパウダーへと生まれ変わります。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「これが色んな工業製品の材料として活用されている」
そのひとつが、食器の「ボタニカル」シリーズ。
竹のパウダーと同じく間伐された木頭杉のパウダー、樹脂などと混ぜて作られています。
大阪の企業と共同開発したもので、一般向けに商品として販売されているほか、子どもたちの「木育」につなげようと、2024年からは那賀町と協力し、学校給食の食器にも使用されました。
(中学2年女子)
「びっくりしました、木だと知って」
この日は、竹パウダーを使った新商品についての打ち合わせです。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「この財布とかもクオリティ高いじゃないですか、『FUMIKODA』さんの製品。徳島で全部最終までいってるのすごいなって」
こちらの革財布、なんと竹パウダーが使用されているんです。
この竹パウダー入り合成皮革は、2023年に庄野さんの会社と鳴門市の会社が共同開発しました。
合成皮革の20%程度を竹など植物由来のものにすることで、従来より石油原料の使用を抑えています。
(共和ライフテクノ 藤原ちえ子営業企画リーダー)
「ストーリーが非常に大事。(竹粉を)入れることで何がユーザーにとってうれしいポイントになるのか?私たちが何を伝えたいかっていうところが、製品になって初めて消費者に届く。(Q.この色がいい、若竹のようなのが人気?売れ行きは?)やっぱり人気がある。ただ、お客の好みもあるし、竹=緑とか、決してそうではなくて、商品の中に込められているメッセージに共感してみなさんに買ってもらっている」
竹パウダーを使った商品が広まっていくことは、間伐材などの需要拡大につながり、ひいては放置竹林の解消にもつながっていきます。
そんな庄野さんが描く、持続可能な未来の姿とは。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「私たちの暮らしに、山や川や海っていう環境は、切っても切れないもの。食料の生産やアクティビティ、教育にも関係するところ。山とか川とか海とか、豊かな自然のつながりをもっと人とつなぎながら、後世にもつないでいきたい。次の世代、子どもたちにも面白いとか、一緒にやりたいなっていう人が増えてくると良いと思っている」
幼いころ遊び場だったという竹林への想いは、いま大きな1本へと育ち、持続可能な未来へと繋がっています。
庄野さんの活動が広がっていけば新たな雇用も生まれ、一石何鳥にもなります。
庄野さんの会社の取り組みは、このほど2025年の大阪・関西万博の事業にも採択されました。
訪れた外国人などに、阿南市や那賀町を訪れてもらう体験ツアーが組み込まれる予定です。
今後の展開が非常に楽しみです。
「フォーカス徳島」では放置竹林問題に直面する徳島県阿南市で竹を活用し、新たな産業を生み出し続けている男性をご紹介します。
(庄野洋平さん(39))
「こっち倒すんで、そこどいてもらえたら」
(庄野洋平さん(39))
「(竹と竹の間が)詰まってきているのでそこを切ってあげると、今度新しく生えた若竹がすくすく伸びて栄養蓄えて、おいしいタケノコをどんどん生やしてくれる。順番に竹も世代交代をしていっている」
阿南市福井町、タケノコを栽培している「阿波たけのこ農園」です。
間伐され手入れが行き届いた竹林では、日の光が土壌まで差し込みます。
健康な竹の中で循環された水は地下を流れ、ふもとに豊かな生態系を築き上げます。
庄野洋平さん・39歳、先祖代々受け継がれてきたこの竹林を今は家族で管理しています。
(阿波たけのこ農園 庄野洋平さん(39))
「竹がたくさん生えすぎてしまうと、光が林床という土に当たらないぐらい混みあってしまい、下草も生えないし山が荒れる。そういう山だと、大雨とか台風が来た時に土砂崩れとか災害の原因にもなってしまう」
阿南市は全国有数のタケノコの産地ですが、後継者不足で放置竹林が増え、社会問題となっています。
幼いころから竹林で遊び育ってきたという庄野さんは、豊かな竹林を取り戻し、未来へつないでいくために活動を続けています。
竹林の維持のため間引きされた竹を、庄野さんが次々軽トラックへと積み込んでいきます。
(阿波たけのこ農園 庄野洋平さん(39))
「これをパウダーにして、色んな素材の原料になる」
持ち込んだ先は、那賀町の木材加工会社「那賀ウッド」です。
庄野さん自身が2014年に立ちあげ、副社長を務める会社です。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「ここに材料を投入して放り込んだら、一連のラインで細かく砕かれながら、これが乾いたサラサラのパウダーになって仕上がる」
これまで燃やすしかなかった間伐竹が、様々な製品に活用されるパウダーへと生まれ変わります。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「これが色んな工業製品の材料として活用されている」
そのひとつが、食器の「ボタニカル」シリーズ。
竹のパウダーと同じく間伐された木頭杉のパウダー、樹脂などと混ぜて作られています。
大阪の企業と共同開発したもので、一般向けに商品として販売されているほか、子どもたちの「木育」につなげようと、2024年からは那賀町と協力し、学校給食の食器にも使用されました。
(中学2年女子)
「びっくりしました、木だと知って」
この日は、竹パウダーを使った新商品についての打ち合わせです。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「この財布とかもクオリティ高いじゃないですか、『FUMIKODA』さんの製品。徳島で全部最終までいってるのすごいなって」
こちらの革財布、なんと竹パウダーが使用されているんです。
この竹パウダー入り合成皮革は、2023年に庄野さんの会社と鳴門市の会社が共同開発しました。
合成皮革の20%程度を竹など植物由来のものにすることで、従来より石油原料の使用を抑えています。
(共和ライフテクノ 藤原ちえ子営業企画リーダー)
「ストーリーが非常に大事。(竹粉を)入れることで何がユーザーにとってうれしいポイントになるのか?私たちが何を伝えたいかっていうところが、製品になって初めて消費者に届く。(Q.この色がいい、若竹のようなのが人気?売れ行きは?)やっぱり人気がある。ただ、お客の好みもあるし、竹=緑とか、決してそうではなくて、商品の中に込められているメッセージに共感してみなさんに買ってもらっている」
竹パウダーを使った商品が広まっていくことは、間伐材などの需要拡大につながり、ひいては放置竹林の解消にもつながっていきます。
そんな庄野さんが描く、持続可能な未来の姿とは。
(那賀ウッド 庄野洋平副社長(39))
「私たちの暮らしに、山や川や海っていう環境は、切っても切れないもの。食料の生産やアクティビティ、教育にも関係するところ。山とか川とか海とか、豊かな自然のつながりをもっと人とつなぎながら、後世にもつないでいきたい。次の世代、子どもたちにも面白いとか、一緒にやりたいなっていう人が増えてくると良いと思っている」
幼いころ遊び場だったという竹林への想いは、いま大きな1本へと育ち、持続可能な未来へと繋がっています。
庄野さんの活動が広がっていけば新たな雇用も生まれ、一石何鳥にもなります。
庄野さんの会社の取り組みは、このほど2025年の大阪・関西万博の事業にも採択されました。
訪れた外国人などに、阿南市や那賀町を訪れてもらう体験ツアーが組み込まれる予定です。
今後の展開が非常に楽しみです。