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能登半島地震の被災地に入った四国放送取材クルーが気づいたこととは 「盛り土」の造成地に潜む危険性【徳島】

2024年2月1日 20:00
能登半島地震の被災地に入った四国放送取材クルーが気づいたこととは 「盛り土」の造成地に潜む危険性【徳島】
今回の能登半島地震には、1月に四国放送からも、記者とカメラマンら取材クルーが被災地に入っていました。

取材クルーは今回の地震で高台にある住宅地の一角だけが崩れているのを発見し、これが「盛り土」造成地の地滑りであることがわかりました。


山本和也記者
「高台にある住宅街の一角が崩れています。地面ごとずれているように見えます」

石川県七尾市の高台では、元日の地震の直後に発生した地滑りで住宅2棟が倒壊しました、約80m四方の地面が崩れ落ちたとみられています。

倒壊した家の近くに住む草さんは、いつもとは違う音に気づいてすぐに、現場に駆けつけたと言います。

(近所に住む草嘉嗣さん(83))
「揺れがおさまった時点で(家が)落ちていった。はしごをかけて助けた」

倒壊した家には2人が住んでいましたが、いずれもケガはなかったということです。

(近所に住む草嘉嗣さん(83))
「(地すべりは)考えたこともない。高台だから津波の心配もないし」

被災地では、地震の後に雨や雪が繰り返し降っています。

地すべりが起きた現場では、住民たちが新たな被害が出るのではと不安を募らせています。

高台の住宅街の一角が崩れ落ちたことについて、現地を調査した金沢工業大学環境土木工学科高原利幸准教授は、住宅街の地盤が原因だったとみています。

(金沢工業大学 高原利幸准教授)
「ここは50年前にできた盛り土の地域。盛り土にたまった水が、地震で液状化のような状態になり、抵抗がなくなって滑り落ちたのではないか」

国土地理院にある50年以上前の航空写真で今回の現場を確認すると、住宅地を造成する際に、山と山の間の谷の部分を盛り土で埋めていたことが分かりました。

(金沢工業大学 高原利幸准教授)
「盛り土のすべてが壊れているわけではないが、時間がたつと排水パイプ等の機能が落ちたりしますので、もともと谷地形で水が溜まりやすくなって(水が)抜けていなかったというときに、地震が起きると弱くなって崩れてしまう」

被災地を調査している高原准教授によりますと、今回の地震では盛り土が原因で地すべりが発生した場所が複数あると言います。

(金沢工業大学 高原利幸准教授)
「今後、古くなった盛土で排水機能が低下してきている土地。日本全土にたくさんあるので、そういう場所で地震が起きた時の危険性が高まっているといえる」

高原准教授は、盛り土の被害を防ぐためには全国的な調査と点検が必要だと訴えています。


この「盛り土」については、これまでに『フォーカス徳島』でも取り上げたことがありますが、徳島県内にもこういった盛り土で造成された土地は約70か所あるということです。

金沢工業大学の高原准教授も話していましたが、能登半島地震を教訓に、県内のこうした造成地についても、今一度現状を詳しく調べる必要があるのではないでしょうか。

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