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【TSMC】台湾から750人が熊本に 受け入れが進む中で様々な変化が

2024年2月22日 19:12
【TSMC】台湾から750人が熊本に 受け入れが進む中で様々な変化が
24日に工場の開所式を行うTSMCのシリーズ企画「動き出す熊本」。今回は台湾から熊本に来た人の暮らしについてです。

熊本県によりますと、開業に向けて台湾から熊本に来たTSMCの従業員は約400人。台湾は単身赴任の文化があまりなく、多くが家族と来日していて、今回の開業に伴い熊本に来た人は、家族を含めると750人ほどだといいます。

文化の異なる土地で快適に暮らしてもらおうと受け入れが進む中で、熊本に様々な「変化」が生まれています。

菊陽町で2009年から毎週開かれている日本語教室。熊本市国際交流振興事業団が外国人を対象に開いていて、参加費は1か月300円です。TSMCの従業員と家族、約750人が台湾から移り住む中で、この教室では去年9月以降、参加者が増加。この日は8割以上が台湾から来た人たちです。

地域のボランティアが教えるのは日本語だけではありません。
■2年前に台湾から来た参加者
「幼稚園の入学式は、みんなスーツで来ました。しかし私の家族はスポーツルック、カジュアルルックでした」
■ボランティア
「服装について誰も言わなかった?」
■2年前に台湾から来た参加者
「全然知らなかった。びっくりした」

日常生活での文化の違いなど、「教科書では学べない」情報交換の場となっています。
■去年台湾から来た参加者
「話して楽しい」
■2年前に台湾から来た参加者
「生活に困ったことも手伝ってくれるし、日本語の会話の練習もできるし、ボランティアの先生も友達になります。日本大好き!」

参加者のひとり、台湾出身の邱桂芬さんは熊本へ移住して11年目。通訳や語学講師として働き、日本語での会話に不自由はありません。この教室へ通い続けるのには別の理由がありました。
■邱桂芬さん
「異国で生活するのは友達も必要だし、もうちょっと早くこの地域に入り込みたいという気持ちがあった。自分が経験した苦労を、新しく熊本に来た人にはできるだけ短くさせようという気持ちがある」

10年以上暮らす熊本で、邱さんはこの1年大きな変化を感じていました。生活する中でとても助かっていると案内してくれたのが、菊陽町のショッピングセンターにある店。去年8月にオープンし、国内外の食料品を取り扱っています。中でも充実しているのが、台湾の食材。お茶だけでも豊富な品揃え。調味料やスパイスなどを含め、約120種類を取り揃えています。

そのほか、台湾の家庭には必ずあるという「とろみ醤油」。塩分控えめで日本の醤油より甘く、炒め物やつけダレとして使うそうです。
■邱桂芬さん
「これは本当に珍しい。とろみ醤油は台湾人の家庭では必要」

慣れ親しんだ故郷の味に欠かせない調味料。インターネットで購入したり、帰国のたびにまとめ買いしたりする必要がなくなりました。
■邱桂芬さん
「すごくうれしい。台湾や中国の人もそうですが、食文化を大事にしている国なので、どうやって自分の国の味を再現するかが日常生活に欠かせない。こんな店ができてありがたい」

■インパクトワンプラスカリーノ菊陽店 久冨敬司店長
「去年8月のオープン以来、確実に、特に夕方は家族連れや個人のお客様が増えている。現地の方が喜ばれる食材などをたくさん仕入れて、できるだけ台湾の方が喜ばれるような品揃えをしていきたい」

この日、邱さんが訪ねたのは熊本市南区の川尻地区。熊本に住む台湾人に向けてモニターツアーを企画しました。邱さんなどが運営する団体では、熊本の情報を台湾の人に向けてインターネットで発信しています。

明治創業の和菓子店。3代目自ら目の前で実演。みかんの和菓子、皮をむくと…。
■参加者
「お~~~~~すごい(拍手)」

この日は一緒にみかんの和菓子を作る体験です。台湾では焼き菓子が主流で、生菓子の体験は珍しいといいます。
■参加者
「びっくりした。すごく特別感があって、来る機会がありとてもうれしい」
■参加者
「旅でも、住んでいても、とてもいい経験になる。昔関西に住んでいたんですけど、こういう懐かしい風景はなかったので、川尻にまた来たい」

メジャーな観光地だけでなく、熊本で生活する上での魅力をより多くの人に知ってほしいと考えています。
■邱桂芬さん
「こういう日本の文化にちゃんと接する機会はすごく重要。なぜかというと、観光だけじゃなくて、2~3年だけでなくもっと長い期間熊本に住む。熊本のことをもっと分かれば、たぶんこの地域のことを分かって、好きになって、もっと好きになると思う」

TSMC第2工場の進出も決まり、さらに増えることが予想される台湾からの移住者。「熊本に住んで良かった」と思えるように…。台湾目線の発信も熊本での生活を支えています。