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「農業と福祉の連携」障害者が生産~販売まで"モッちゃん水餃子"開発

2024年7月17日 20:29
「農業と福祉の連携」障害者が生産~販売まで"モッちゃん水餃子"開発
滝下雅樹さん(20)

農業を通じて障害がある人の雇用の場を作る取り組み。収穫した野菜は水餃子に。生産から加工、販売の「農業と福祉の連携」で社会参加の場や生きがいが生まれています。

7月6日。熊本市西区の使われなくなった校舎で行われた地域のイベント。グラウンドに並ぶキッチンカーで販売されていたのは…「熊本発!モッちゃん水餃子」です。
つくったのはKKTの元アナウンサー本橋馨さんと県内の福祉施設に通う障害がある人たちです。

開発のテーマにあるのは「農業と福祉の連携」。

■フリーアナウンサー・本橋馨さん
「農福連携の熱い思いを聞いて、そこに僕も感動してだったら大きな工場じゃなくて彼らに作ってもらおうと」

水餃子の製造から販売まで、一連の過程をすべて自分たちで。新たなプロジェクトの道のりを追いました。

7月3日。滝下雅樹さん(20)。滝下さんには知的障害のほか、集中できない、落ち着いていられないなどの障害(表記注意欠如・多動性障害)があります。

滝下さんが通うのはNPO法人「熊本福祉会」が運営する就労継続支援A型事業所。病気や障害などで一般企業で働くことが難しい人と雇用契約を結び、働く機会などを提供する支援機関です。朝礼のあと向かったのは…熊本市内にある畑です。

滝下さんが通う事業所が力を入れるのは「農業」。利用者が畑で野菜の管理や収穫を行い、スーパーや無人販売所での販売までを担います。農業を通して自信をもち、自分らしさを見つけてもらおうというねらいがあります。

■滝下雅樹さん
Q野菜の収穫どうですか?
「楽しいです。収穫が一番楽しい」

この日はピーマンやナスが収穫できました。

滝下さんたちが行うのは野菜作りと販売だけではありません。この日は熊本市内の中華料理店へ。今年4月から餃子づくりに取り組んでいます。

■滝下雅樹さん
「餃子は…好きです。家ではあんまり食べない」

餃子をつくるきっかけの一つがフリーアナウンサーの本橋馨さん。オリジナルの餃子の製造先を探していたとき中華料理店(徐鵬社長)を通じて熊本福祉会とつながりました。熊本福祉会としても外部と協力して商品を開発するのは初めてです。

■NPO熊本福祉会・奥野靖夫理事長
「最初は不安そうな感じでおどおどするような、どうしていいか分からないような感じだったんですけど、最近は余裕を持ちながら作ることができるようになってきたので、頼もしいなというふうに思っています」

自分たちで育てた野菜が餃子という加工品に変わります。

■利用者
「肉汁があふれておいしい」
「モチモチしとってうまい」

■釜聖食卓市場・徐鵬社長
「つるつるでモチモチ食感が良い結構肉もいっぱいですね。少しちょこちょこ(餃子が)綺麗になって来るし、上手になってくるし、素晴らしいと思います」

■滝下雅樹さん
Qいっぱい食べてくれそうですか?
「食べてくれると嬉しいですね(笑)」

迎えた販売会の日。完成した熱々の水餃子をお客さんに手渡します。

■水餃子を食べた中学生の女の子
「すごく皮がもちもちしていていつも食べている餃子とは全然違う。おいしかった~」

持ち帰り用にたくさん買ってくれる人も。

■滝下雅樹さん
「作ったのを食べてもらえる瞬間が嬉しい。(これから)いっぱい量作っていこうと思います。やっていてよかったです」

農業と福祉が連携し、加工品の製造や販売へ、広がっていく仕事の幅。障がいがある人にやりがいや笑顔を広げる取り組みが進んでいます。

「モッちゃん水餃子」は7月20日(土)に熊本市のゆめタウンはませんで、
また8月1日から7日までは鶴屋百貨店の「くまもとの特産品まつり」で販売する予定です。