「農業と福祉の連携」障害者が生産~販売まで"モッちゃん水餃子"開発
農業を通じて障害がある人の雇用の場を作る取り組み。収穫した野菜は水餃子に。生産から加工、販売の「農業と福祉の連携」で社会参加の場や生きがいが生まれています。
7月6日。熊本市西区の使われなくなった校舎で行われた地域のイベント。グラウンドに並ぶキッチンカーで販売されていたのは…「熊本発!モッちゃん水餃子」です。
つくったのはKKTの元アナウンサー本橋馨さんと県内の福祉施設に通う障害がある人たちです。
開発のテーマにあるのは「農業と福祉の連携」。
■フリーアナウンサー・本橋馨さん
「農福連携の熱い思いを聞いて、そこに僕も感動してだったら大きな工場じゃなくて彼らに作ってもらおうと」
水餃子の製造から販売まで、一連の過程をすべて自分たちで。新たなプロジェクトの道のりを追いました。
7月3日。滝下雅樹さん(20)。滝下さんには知的障害のほか、集中できない、落ち着いていられないなどの障害(表記注意欠如・多動性障害)があります。
滝下さんが通うのはNPO法人「熊本福祉会」が運営する就労継続支援A型事業所。病気や障害などで一般企業で働くことが難しい人と雇用契約を結び、働く機会などを提供する支援機関です。朝礼のあと向かったのは…熊本市内にある畑です。
滝下さんが通う事業所が力を入れるのは「農業」。利用者が畑で野菜の管理や収穫を行い、スーパーや無人販売所での販売までを担います。農業を通して自信をもち、自分らしさを見つけてもらおうというねらいがあります。
■滝下雅樹さん
Q野菜の収穫どうですか?
「楽しいです。収穫が一番楽しい」
この日はピーマンやナスが収穫できました。
滝下さんたちが行うのは野菜作りと販売だけではありません。この日は熊本市内の中華料理店へ。今年4月から餃子づくりに取り組んでいます。
■滝下雅樹さん
「餃子は…好きです。家ではあんまり食べない」
餃子をつくるきっかけの一つがフリーアナウンサーの本橋馨さん。オリジナルの餃子の製造先を探していたとき中華料理店(徐鵬社長)を通じて熊本福祉会とつながりました。熊本福祉会としても外部と協力して商品を開発するのは初めてです。