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【密着】豪快な放水の国宝・通潤橋の壁面をロープで降りて…年に1度の大掃除

2024年9月9日 19:14
【密着】豪快な放水の国宝・通潤橋の壁面をロープで降りて…年に1度の大掃除
国宝・通潤橋(熊本・山都町)
江戸時代につくられた山都町の国宝・通潤橋で、年に1度の大掃除が行われました。ロープを伝って橋の壁面を降りる人たち。大迫力の大掃除に密着しました。

去年、国宝に指定された山都町の通潤橋。水不足に悩んでいた白糸台地に水を通すため、1854年につくられた石造りの水路橋です。豪快な放水の様子は、熊本県を象徴する景観の一つとして知られています。

8月25日、その通潤橋のもとに集まっていたのは、ヘルメットや安全装置を装着した人たちです。

■あそ望山岳会 緒方一成さん
「きょうは通潤橋の草取りをします」

目的は、1年に1度の大掃除。町が12年前からほぼ毎年、行っています。なぜ、夏のこの時期に大掃除を行うのでしょうか。

五穀豊穣を願い、松ぼっくりなど自然の材料でつくる「大造り物」の引き回しが呼び物の八朔祭。毎年、9月の第1土曜日と日曜日に行われています。約260年の歴史あるこの祭りを見ようと、毎年多くの観光客が山都町を訪れます。その八朔祭前に国宝の通潤橋をきれいにしようというのです。

完成から170年がたつ通潤橋には草やコケがびっしり。大掃除を行うのは、山の岩壁を手足を使って登るクライミングに取り組んでいる団体のメンバーなどです。高さ20メートルを超える橋の上からロープを伝い、慎重に壁面を降りるメンバーたち。手に持った鎌などで草を取り除きます。

■あそ望山岳会 宮本大輔さん
「僕も小学生の時に来た通潤橋なので、まさか自分が掃除をすることになるとは思っていなかったです。楽しみです」

普段は決して見ることができない国宝の通潤橋の姿を写真に収めようと、多くの観光客が集まりました。

■観光客 熊本県内から
「きれいになりますし、ぶら下がっている人が下まで行くのは、たいしたものだと思う」

■観光客 福岡から
「祭りのための準備として、表に出ないけれども、されていて感心しました」

熊本県内の広い範囲で最高気温35℃以上の猛暑日となったこの日、照りつける日差しの中、大掃除は約4時間にも及びました。

■あそ望山岳会 緒方一成さん
「きれいになりましたね、本当にびっくりするぐらい。昔の白糸台地の人の希望とか望み、願いが集まって通潤橋が出来ているわけですから、それを200年間も続けているというのが面白い。大事にしていきたいですね、これからも」

■あそ望山岳会 宮本大輔さん
「いい経験になりました。ぜひ(来年も)来たいと思います」

国宝・通潤橋の景観を自分たちの手で守りたい。ボランティアたちによる1年の1度の大掃除は、これからも続きます。