【実態は?】支払総額1億2900万円 USBメモリ高額販売で弁護団結成
「販売預託商法」をご存じでしょうか。業者が商品を販売すると同時にその商品を預かり、運用して得られた利益を購入者に還元するという名目で高額な商品を販売する商法です。熊本県内でも販売預託商法でUSBメモリを購入させる被害が出ているとして、熊本県弁護士会が実態把握と被害者救済のために弁護団を立ち上げました。
県弁護士会が弁護団を立ち上げたのは、「WILL」と「VISION」という2つの会社による投資被害です。全国でセミナーの開催や訪問販売などで顧客を募ってきたという2社。投資に使われたのが、電話機能やカラオケ、ゲームなどのアプリが入っているとされるカード型のUSBメモリです。
顧客は1つ約60万円で購入しますが、2社は商品を渡さずにレンタルする形で預かる契約を結びます。顧客には3年間で72万円のレンタル代金が支払われ、約12万円の利益が出るとうたっています。
そのレンタル代金は、USBに入っているアプリを第三者に提供して得られる利用料でまかなうと説明しています。
しかし実際にはアプリを運用している事実はなく、全国で支払いが途絶えたり換金できない仮想通貨で支払われたりする被害が続出。消費者庁はWILLと2019年に業務を引き継いだVISIONに対して、業務停止命令などの行政処分を行っています。
県弁護士会が去年11月に設けた相談窓口には、2社による投資被害の相談が9件寄せられ、USBメモリの購入者が支払った総額は9件で1億2900万円あまりに上るということです。県弁護士会は、被害者掘り起こしのため弁護団を結成。3月17日に被害者説明会を開き、2社に損害賠償を求める裁判を起こす方針です。
熊本県弁護士会は、2月22日の午前10時から午後4時まで行う「全国一斉投資被害110番」でも、この2社についての電話相談を受け付けます。
電話番号は096-312-3452です。
また、被害者説明会は、3月17日午後1時から県弁護士会京町会館で開かれます。