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【熊本初】頭頸部にできた「がん」治療で光免疫療法が熊本大学病院で始まる

2023年12月11日 19:06
【熊本初】頭頸部にできた「がん」治療で光免疫療法が熊本大学病院で始まる

これまで手術や治療が難しいとされてきた鼻や口、のどなど「頭頸部」にできた“がん”。治療を断念してきた患者に新たな選択肢です。
県内初の「光免疫療法」が熊本大学病院で始まりました。

熊本大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の折田頼尚教授は県内で初めて、頭頸部がんへの「光免疫療法」を実施しました。

■折田頼尚教授「できるだけ腫瘍、狙ったターゲットだけを殺して、周りの正常な組織をできるだけ傷つけないようそういった治療になります」

治療に用いるのは、特定のがん細胞に集まりやすい抗体と特殊な光に反応する物質とを結合させた薬です。

点滴で投与した薬が腫瘍のがん細胞に集まった後、光ファイバーで当てた光に薬が反応し、がん細胞だけを破壊する仕組みです。

国内で年間4万9000人が発症しているとされる頭頸部がん。

切除が難しく、切除できても呼吸や会話、食事といった生活の質が損なわれるリスクを抱えています。

■折田頼尚教授「このまま緩和(治療)に移行していかざるを得ないような患者さんにも検討していい治療法のひとつとしてあり得るかなと思っています」

そうした中で登場した光免疫療法。まだ実績が少ないため、対象となるのは従来の手術や放射線治療が難しい患者に限定されています。

熊大病院ではことし10月以降、がんが進行した高齢男性と手術を繰り返しこれ以上の手術が難しい女性の2人に対して実施。

いずれも治療後の経過は良いということです。

■折田頼尚教授「治療直後から効果があるのは目に見えて感じられました。少なくとも当てた部分のがん細胞というのはある程度、死んでくれているというのは手応えがございます。まだ長期的に観察できておりませんので今後どうなるかというのは気を付けて観察していきたいと思います」

熊大病院では年間数人が対象になるとみられる光免疫療法。これまで治療を断念してきた患者にとって、新たな治療の選択肢です。

ご注意いただきたいのは、紹介した光免疫療法は、クリニックや医院のホームページなどで紹介されている自由診療の光免疫療法とは異なります。

治療実績がまだ少ないため、標準治療である手術や放射線治療が優先されます。

治療費には公的医療保険が適用されます。

実施している病院はこの薬を用いた治療法を全国で展開している医療機器・製薬メーカー楽天メディカルのホームページでご確認ください。