「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産登録決定 熊本の酒造関係者も消費拡大に期待
日本時間の5日未明、日本酒や焼酎などを造る技術「日本の伝統的な酒造り」のユネスコの無形文化遺産への登録が決まりました。決定の瞬間を見守っていた熊本の関係者からも喜びの声があがりました。
日本時間の5日未明、パラグアイで開催されたユネスコ政府間委員会。熊本市中央区の県酒造会館では、日本酒や焼酎の蔵元の関係者など約25人が“その時”を待ちました。
■吉田佳記者
「午前3時を回りました。歴史的瞬間を前に関係者の皆さん、笑顔と緊張が入り混じったような様子でその時を待っています」
そして午前3時半過ぎ、委員会は、日本酒や焼酎、泡盛などを造る技術「日本の伝統的酒造り」をユネスコの無形文化遺産に登録することを決めました。ユネスコへの提案から2年半あまり。関係者からは喜びの声があがりました。
■熊本県酒造組合連合会 本田雅晴会長
「うれしいというより、ほっとした。日本独特の酒造りの技術が評価されたのではないか」
■高橋酒造熊本営業所 那須良所長
「熊本のおいしいお酒・清酒たくさんあるわけですから、それを海外にどう売っていくかがキーワードになってくる。これがおそらく熊本のお酒の発展につながってくると思う」
伝統的酒造りは、穀物を原料とする「こうじ」を使って発酵させる手作業の技術で、室町時代に原型が確立した後、各地の気候風土に合わせて発展し、杜氏や蔵人らによって受け継がれてきました。今後、熊本県内の日本酒や焼酎などの消費拡大にも期待が高まります。
■熊本県 木村敬知事
「これからも県産酒をどんどん飲んでいきましょう。おめでとうございます!」
ユネスコの無形文化遺産に登録されるのは、国内では「歌舞伎」や「和食」、八代妙見祭の神幸行列を含む「山・鉾・屋台行事」などに続き23件目となります。
【スタジオ】
国税庁の資料によりますと、2019年度からの4年間で、国内から海外への日本酒・焼酎の全体の輸出量は増えています。
一方、熊本からの出荷量は下がっています。日本酒は4年間で横ばい、焼酎は減ってきています。無形文化遺産の登録で、熊本のお酒の魅力が海を越えて世界に伝わるといいですね。