旧優生保護法のもと不妊手術 国が相手の裁判原告の渡邊數美さん(79)死去
旧優生保護法をめぐる裁判の原告の渡邊數美さんが亡くなっていたことが分かりました。79歳でした。
渡邊さんは、旧優生保護法のもとで不妊手術を受けさせられたとして、国を相手に裁判を起こしていました。弁護団によりますと、2月10日、弁護士が渡邊數美さんの自宅を訪ねたところ、倒れている渡邉さんを見つけ、死亡が確認されたということです。79歳でした。
渡邊さんは、旧優生保護法のもと、10歳から11歳の頃に、睾丸の摘出手術を受けました。
裁判では、不妊手術により「尊厳を侵害された」として国に賠償を求めていましたが、去年年1月、熊本地裁が旧優生保護法を差別的な思想に基づく「極めて非人道的」なもので憲法に違反すると指摘し、原告勝訴の判決を言い渡しました。
国は判決を不服として控訴し、3月13日に福岡高裁での判決が予定されていました。
弁護団は、「早く判決をと望んでおられたので、非常に無念です。今後は、訴訟の継承について協議していく予定です」とコメントしています。