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【新たな手口】警察や検察かたり電話 80代女性から4000万円以上だまし取る

2024年5月9日 19:31
【新たな手口】警察や検察かたり電話 80代女性から4000万円以上だまし取る

八代市の80代の女性が、警察官や検事を装った男からの電話を受け、4000万円以上をだまし取られる事件がありました。いわゆる「劇場型詐欺」、犯人グループはこれまではないような巧妙な手口を使っていました。

警察によりますと、今年3月上旬、東京の警察や検察をかたる複数の男から八代市の80代女性に電話がありました。
■男①
「あなたの名義で口座を開設したり、携帯電話を契約した犯人を捕まえた」
■男②
「捕まえた暴力団団員が、あなたの名義で口座を開設し、 その口座に『健康食品の売上金数百万を入金した』と言っているので調べる必要がある」

その後も複数回にわたり、電話で女性の名前や住所、口座情報などを聞いてきたといいます。そして、女性のもとに届いたのは「女性名義」のキャッシュカード。女性は、犯人グループが準備した、この女性名義の口座にお金を振り込むよう指示され、あわせて4000万円以上を振り込んだということです。

5月3日、女性の家族が話を聞いたことで発覚しました。警察が詐欺などの疑いで捜査しています。

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
多くの登場人物が登場する今回のようなケースは、「劇場型詐欺」といわれます。今回は警察や検事などをかたり、代わる代わる何回も電話をかけ、信じ込ませたとみられています。

(平井友莉キャスター)
自分の名義の口座が開設されてキャッシュカードが送られてくるというのは珍しいですよね。

(緒方太郎キャスター)
そこが巧妙な手口なんですね。これまでは、犯人側の名義の口座に振り込む手口が目立ちましたが、自分名義の口座への振込となると、金融機関の窓口の人なども異変に気づきにくくなります。
今回は、“被害にあった女性名義”の口座を犯人グループが開設して、「新しく開設した口座にお金を入れれば、裁判で有利になる」などと言われ、あわせて4000万円以上を振り込んでしまいました。お金はほぼ全額なくなっており、警察は、犯人グループによって引き出されたとみています。

(平井友莉キャスター)
電話でお金の話がでたら「詐欺を疑うこと」が大切ですね。

(緒方太郎キャスター)
その意識に加え、言葉巧みな「犯人側と話をしない」ための対策も必要です。警察は、防犯機能付き電話機や、自動通話録音機の設置を呼びかけています。また、県警は、65歳以上の人がいる世帯に防犯機能付きの固定電話を無料で貸し出しています。