不適切党員登録100人 自民党・田畑議員めぐる疑惑 自ら架空党員登録の疑い
衆議院・富山1区選出で自民党の田畑裕明議員をめぐり、支援者を無断で党員登録しその党費に企業後援会が集めた会費を充てていた疑惑の続報です。
田畑議員はきのうの会見で関与を否定しましたが、KNBが入手した資料や取材から、自ら、実在しない架空の党員を登録していた疑いがあることがわかりました。
■ 自民党総裁選 投票用紙のはがき 実在しない架空の名前に届く
こちらは、ことし9月に行われた自民党総裁選挙の投票用紙のはがきです。
田畑議員を支援する企業の従業員の元へ届きました。
いずれも、党員になった覚えがないのに届きました。
44枚あるうち、宛名には実際の従業員の名前もありましたが、大半が、実在しない架空の名前でした。
家族分とみられる同じ名字の投票用紙が複数ありましたが、ある従業員のケースでは、企業に6枚の用紙が届いたもののの、実在する宛名は、自分の名前の1枚だけ。
残る5枚には全く知らない名前が記されていました。
この支援企業では、従業員に確認したところ、全体ではおよそ80枚のはがきが送付されていて、その多くが架空の名前でした。
この企業の役員は、取材に対し、以前から田畑議員を支援していて従業員名簿を提出していたとしています。
7年ほど前から総裁選の投票用紙が届くようになったといい、田畑議員に対しなぜ投票用紙が届くのか、先月、電話で確認したところ、無断で党員に登録したことを認めたうえで、この企業が田畑議員の企業後援会に支払った会費を党費に充てていたと説明したということです。
さらに田畑議員からは、「(党費を)ポケットマネーで支払ったことにしてほしい」と持ち掛けられ、それを断ると「(田畑議員の)亡くなったおじが払っていたことにする」と連絡があったといいます。
口裏合わせを求めたとみられる発言について田畑議員はきのうの会見で「憶測による発言だった」と釈明しました。
神林記者「どうしてそういう具体的な話になるのか 隠ぺいとかそういう意図がないとそういう話にならないのでは」
田畑議員「憶測によるそのような流れ、ついつい見立てですよね話したと、当人との関係性の親しみ、そうしたこと、場合によっては甘えということがあったのかなと思ってございますし 少し勝手な判断で慌てての発言ということになる 明確に正確に何を話したかは記憶にありませんが 長年の支援者であり私は気心知れた方と認識してますですから その中で発言したと」
■田畑議員は会見では「調査中」などと繰り返した
きのうの会見で不適切な党員登録が100名前後あったことを明らかにしたうえで、自身の関与を否定した田畑議員。
記者の取材に対しては「調査中」などと繰り返し、詳細な説明を避けました。
田畑議員
「きちっと調べて回答したいと思います」
「客観的な事実を確認してから確認したい」
「繰り返しですけどそれを含めてきちっと事実関係引き続きご報告したい」
政治資金に詳しい専門家は、きのうの会見から政治資金規正法違反にあたる疑いが強まったと話します。
神戸学院大学 上脇博之教授
「100人前後がどうも党員じゃなかったと、この事実をもって ますます政治資金規正法違反は明らかだなと思いますね。受けた寄付を党費に充ててしまったということにはなりますから。田畑さんの選挙区支部の収支が合わなくなるはず、そうするとその分の収入をどこか減らさないといけない、減らしちゃうとそれが虚偽になる」
田畑議員に対しては客観的な証拠を示して説明するべきだと話します。
「客観的な資料を示して説明責任を果たすべきなんですよね、口座の記録を報道に示すとか領収書を示すとか 口だけで説明されても違法行為をやった側の説明が信用できないじゃないですか」
一連の疑惑についてコンプライアンス上問題はないのか。自民党本部はKNBの質問に対し「後日、田畑議員から説明がなされると承知しています」と回答するにとどめ、見解を示しませんでした。
会見の映像を見たという支援企業の役員は「よくそんなことが言えるなと。嘘は通らない。田畑議員は自分の身を守ることしか考えていないのではないか」と話しました。
田畑議員には速やかに調査をし、嘘偽りのない説明を求めます。