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「返金は求めない」念書無効の最高裁判断 富山県内の元信者は “統一教会”高額献金めぐり

2024年7月16日 19:19
「返金は求めない」念書無効の最高裁判断 富山県内の元信者は “統一教会”高額献金めぐり

いわゆる統一教会の高額献金をめぐり最高裁判所は7月11日、元信者が教団側に提出した「返金は求めない」とする念書を無効とする判断を初めて示しました。

過去に高額献金をしたという県内の元信者らは、この司法判断をどう受け止めたのでしょうか。

この裁判は教団側の違法な勧誘で献金被害に遭ったとして、元信者の女性の遺族が教団側に損害賠償を求めたものです。

一審、二審は教団側の勝訴でしたが、最高裁は7月11日二審判決を破棄し、審理を差し戻しました。

争点の1つが女性が教団側に提出した「返金や賠償などを求めない」とする念書の有効性でした。

この「念書」について、野党のヒアリングに問題性を訴えたのが富山県内に住む元信者の女性でした。

県内在住元信者 女性
「先祖の因縁などと説かれ家族が不幸になると言われて怖くなり、周りから指図されてやったことがたくさんありました、だからあの念書は絶対に間違いだということに気が付きました」

女性は入信後、献金や水晶玉などの物品購入におよそ2500万円を使ったといいます。

教団の霊感商法などが社会問題化していたさなか、教団関係者に「献金や物品購入は自らの判断で行ったもので返金を請求しない」という念書を迫られ、サインしてしまったとして、撤回したいと訴えました。

これについて国会で岸田総理が言及しました。

岸田総理大臣 国会答弁
「念書を作成させ、あるいはビデオ撮影をしているということ自体が、法人等の勧誘の違法性を基礎づける要素の一つとなり、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求が認められやすくなる可能性がある」

教団側からはこの発言の翌日の消印で、女性のもとに念書の原本が返還されました。

教団側が首相の答弁に敏感に反応した可能性があります。

女性の代理人弁護士は、女性の訴えが「念書の違法性」を広く知らしめるきっかけになったと指摘します。

全国統一教会被害対策弁護団 中川亮弁護士
「やはり統一教会としたら、言葉が悪いけれど常套手段なわけですで、そういったところの悪質性という部分もやはり一審や二審が地裁や高裁が判断できていなかった、つまり判断に追い込めていなかったということについて、最高裁が正すというのは、それは裁判所が行うこととして悪くないと思います」

教団側は2009年に「コンプライアンス宣言」を出し、先祖の因縁などを結びつけ献金を促したり、信者の自由意思を尊重し過度な献金を勧めないよう指導を徹底していると主張していますが、県内の元信者らは実態は違うといいます。

別の元信者 女性
「やっぱお金もどんどんなくなっていくし、いつまで続くがかなと思ったりしました」

県内に住む元信者の女性です。

女性は2022年に脱会するまで、教団には1700万円を献金したといいます。

教団は正体を明かさず近づき、入会や献金をしなければ不幸になるなどと、巧みに勧誘されたと言います。

別の元信者 女性
「人類のためみたいな そんな感じで、本当に 『北朝鮮の人救う、韓国の人救う』そういう感じで献金したこともありますしね。『自分の持ってるお金で、範囲内でしなさい、家族にわからないように知恵を使って』という感じで言われるんです」

女性は、献金をめぐりすでに教団と示談したものの、後悔や自責の念はなくならないといいます。

女性の夫は、政府には教団に対し責任をもって対応してほしいと訴えます。

元信者女性の夫
「宗教団体として認めたのは、調査がしっかりされないままで宗教団体と認めたのは国でしょう。だから政府の責任で、早くメスを入れるのは当然でしょうが。私はそういう風に思っています、政府の責任です」

そのうえで、今回の判決によって、これまで念書が壁となって声を上げられなかった信者らの被害救済につながればと話しました。

元信者女性の夫
「裁判かけられる人もたくさんいますから早く解決してほしいと思っています」

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