娘への性的暴行めぐる裁判 初公判で父親は無罪主張「抵抗不能ではなかった」
当時10代の娘に性的暴行を行ったとして準強姦の罪に問われている父親の初公判が富山地裁で開かれ、父親は「逆らえない状態ではなかった」として、無罪を主張しました。
きょう出庫準強姦の罪に問われている大門広治被告(53)は2016年8月、黒部市の自宅で当時10代で高校生だった娘の福山里帆さんに対し、抵抗できない状態で性的暴行を行ったとされています。
ことし3月に大門被告が逮捕された後、里帆さんは会見を開き、当時の心境などを話しました。
福山里帆さん「親族に知られてしまったらきっとみんな悲しむだろうと、だから自分が一生懸命隠さないといけないのかなとか、でも、助けてほしいとか。私が父から性加害を受けていると話しても信じてくれないだろうと感じて。なかなか周りにSOSは出しにくかったなと」
大門被告が起訴された際、里帆さんは「裁判では、自らの大きな過ちに向き合い、罪を償ってほしい」とコメントしていました。
初公判 父親は無罪主張
そしてきょう富山地裁で開かれた初公判で大門被告は、「娘と性交渉をしたことは間違いないが、逆らえない状態ではなかった」と起訴内容を否認しました。
検察側は冒頭陳述で、「被告は里帆さんが中学生だった2013年から性的暴行を繰り返し行い、口止めもしていた」としました。
そのうえで、「里帆さんは、被告との性交に嫌悪感を抱いていたが、妹も被告から同様の性被害に遭うのではないかと恐れていたほか、大学に進学するためには被告に逆らえないと考えていた」と指摘しました。
一方、父親の弁護側は、「被告による娘への性交渉は、倫理的、道徳的に非難されるものではあるが、抵抗できない状態ではなかった」などとして、準強姦罪は成立せず無罪だと主張しました。
里帆さん「父が厳正に裁かれますことを心から祈ります」
娘の里帆さんは裁判のあと、次のようにコメントを出しました。
「どこの世界に父からの性行為を受け入れる娘がいるのでしょうか。10年間で、父は私の心に数多の深い傷を刻んできました。今被害を受けている子ども達、被害を受けた子ども達が勇気を持って一歩を踏み出すためにも、父が厳正に裁かれますことを心から祈ります」
次回の裁判は来月23日に開かれ、里帆さんの証人尋問が行われる予定です。