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「見る」とは何か?目の不自由な人との関わりから生まれた写真作品|第33回林忠彦賞 受賞作「ALT」

2025年3月5日 16:48
「見る」とは何か?目の不自由な人との関わりから生まれた写真作品|第33回林忠彦賞 受賞作「ALT」

目の不自由な人との関わりを通して、目で見ることが全てではないこと、「見る」ということを改めて考えさせられる作品となっています。

第33回「林忠彦賞」に選ばれたのは東京都在住の写真家=鶴巻育子さんの作品「ALT」です。

この作品は鶴巻さんが見ることへの疑問を抱き、見ることを仕事とする写真家の自分とは対極ともいえる、目の不自由な人たちに興味を持ったことからスタート。目の不自由な人の外出をサポートする仕事にも携わりながら完成させました。

「ALT」は“代わりのもの”“代替え”などの意味を持つ「alternate」の略で、視覚に代わる他の感覚で世界を捉えるとの思いが 込められているということです。鶴巻さんは「自分とは異なった環境や、人々を無縁と考えず知らない世界を楽しむことで、新しい景色が見えてくることを実感しました」などとコメントしています。

今年の「林忠彦賞」には81点の応募があり、選考委員会で鶴巻さんの作品は「芸術的な思索を自身と被写体のコラボレーションによって写真作品化した」などと評価されました。

(藤井律子・周南市長)
「見ない人の見えるを可視化したような気がした。見るということを改めて考えさせられた作品です」

林忠彦賞の授賞式は4月26日に山口県周南市の遠石会館で行われます。また受賞記念写真展は、4月26日から周南市美術博物館で開かれます。

最終更新日:2025年3月5日 16:48