×

「小浜」?「米原」?北陸新幹線ルート問題は侃々諤々…議論の現在地は?

2024年7月25日 18:47
「小浜」?「米原」?北陸新幹線ルート問題は侃々諤々…議論の現在地は?
北陸新幹線の敦賀から西のルートをめぐって再び議論が熱を帯びています。

「小浜ルート」ではなく、「米原ルート」へ。関係者の思惑などを取材しました。

石川県議会議長
「本案を賛成することに賛成する諸君の起立を求めます」

7月20日。
石川県議会で「北陸新幹線の米原ルートへの再考を求める決議案」が賛成多数で可決されました。

敦賀以西の整備をめぐっては、8年前の2016年福井県小浜市を通り、京都を経由して新大阪につなぐ「小浜ルート」とすることで与党が合意。

しかし、着工時期が見通せない中、再び、建設費が安く、工期が短い「米原ルート」での整備を求める声が強まっています。かねてから「米原ルート」推進派でこの動きを主導しているのが県政界の重鎮 福村章 県議です。

福村章 県議
「いったん決まったことなんでね。なかなか決まったことに異論を唱えることは勇気がいります。やっぱり地元石川県の経済にとって早くつながる方がいいとか。東海道新幹線沿線で何かあった場合、日本列島が分断される。災害が起きるかわからない。だからやっぱり早くつなぐべきだということが一つ」

そして、「小浜ルート」での早期整備を求めるスタンスの馳知事ですが…

馳 知事
「一言で言うと”へしない”。8年たっているのにまだ敦賀以西の着工に向けて槌音も聞こえない。具体的に工期、工費、ルート、駅の位置が示されないことに対する不満と不安の気持ちは私もよくわかる」

ルートの見直しを求める声が上がっていることについて、理解を示しました。

一方、大阪では先日、北陸新幹線の全線開業に向けた大会が開かれ、「小浜ルート」を前提に早期着工に向けて財源確保を求める決議が採択されました。

しかしここに来て「小浜ルート」については資材費の高騰などの影響で建設費が当初の想定のおよそ2倍、工事の期間も大幅に伸びるという話が浮上。「小浜ルート」が選ばれた前提が崩れることになりますが、国からはまだその新たな試算については示されていません。

大阪府・吉村 洋文 知事
「一体いくらかかるのか、工期がどのくらいになるのか明らかにすべきだと思うし、それが出れば議論の必要がある」

当事者であるJRは…
JR西日本・長谷川一明 社長
「私どももまだ基本的なことにつ いてのお話を伺っておりませんので、(国から)どういった内容が示されてくるかというところを着目しているということでございます」


こうした中、県内では26日北陸新幹線の建設促進県民会議の総会が開かれますが…

福村県議
「今までの延長線上でね、シャンシャン大会で終わるということは、やっぱりあり得ないんだろうな。これだけ県民世論が盛り上がっている」

石川を中心に「米原ルート」への転換の声が強まる中、今後の与党内などでの議論の行方が注目されます。