妻と娘亡くした男性…携帯も時計も見つけたけれど 家族の思い出探しに一旦区切り 輪島市
家族を亡くし思い出の品々を探し続ける輪島市の男性がいます。地震から40日目。きょうで遺品探しに一旦区切りをつけました。
楠健二さん(55)の自宅は、地震で倒壊し妻の由香利さん(48)と長女の珠蘭さん(当時19)を亡くしました。
避難所に身を寄せながら、時間が許す限り、家族の思い出を探し続けています。
楠健二さん:
「これが僕ので、これが妻ので、これが時計です」
(Qすごくきれいな状態ですね)
「そうですね、全然汚れていなかったですね」
おととい見つけた腕時計は、妻・由香利さんからの贈り物でした。
楠健二さん:
「去年の4月にもらって俺時間守らないから時間守ってねという感じだと思うんですけどね。まあ怒られるからそれがもうなくなると思うと悲しいかな、寂しいかな、今思えば楽しかったんだろうな」
妻の思いが詰まった健二さんの時計は、きょうも時を刻み続けています。
楠健二さん:
「必死になって探してるけど、見ちゃうと全てを思い出してしまうからしばらくはつけられないですね」「携帯も見つかったのに中身は見てないんですよねあれを見ちゃうと気持ちがどうにかなっちゃうので」
楠さんは、2人の法要を執り行うためあす、一旦輪島市を離れます。
思い出を探す作業はきょうで一区切りとなりますが、また必ず妻と娘の生きた証を探しに来ると決めています。