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震災に耐えた奇跡のガラスアート 島へ渡る橋は今も通行止め…一時孤立の能登島の現状

2024年1月10日 21:37
震災に耐えた奇跡のガラスアート 島へ渡る橋は今も通行止め…一時孤立の能登島の現状

今回の大地震では能登島でも被害があり、一時、孤立状態となりました。
観光地としての顔も持つ島の現状を取材しました。

能登島につながる全長620メートルのつり橋、ツインブリッジのと。

美しい景観が望めると評判のスポットでしたが…

NNN取材団 橋本英幸 記者「こちらの中能登農道橋は地震の影響で橋の道路部分が崩れてしまっていて、
現在通行ができなくなっています」

橋の手前には、通行止めの表示。

その向こう側には、大きな亀裂が入った路面とめくれ上がった路肩が見てとれます。

今回の地震で一時、孤立状態となった七尾市の「能登島」。

道路には大きな亀裂が走り…
津波の影響か、船は住宅の目の前まで流されました。

地震の被害は、島内の観光施設にも。

県能登島ガラス美術館 竹本加奈 さん「全損というか破損をしてしまったものがあります」
「立った状態だったのが、手前にパタンと倒れているということですね」

展示ケースには割れてしまった作品が。

(作品:Ship of Timeパヴェル・フラヴァ 1998年)

元々はこのように立てた状態で展示していたといいます。

被害は、屋外の作品にも。

竹本さん「あれです」
橋下記者「あぁ~」
竹本さん「あぁ~ってなるんですよね、ほんとに前まであったものがぐしゃって下にあってもう、えっていう…」

石の柱が折れ重なるように倒れ、割れたガラスが散乱していました。

(作品:COSMIC FLY 楠田信吾 1991年)

竹本さん「2枚の大きな板ガラスの間に4本の御影石の棒が刺さるように入っていた作品なんですけど」
「(修復の)めどは立っていないですね、はい…」

この近くには、ほかにも粉々にくだけてしまった作品が。

しかし。

中には、免振装置が機能し、被害を免れた作品もありました。

ピカソの原案によるユニークなガラス作品、「おどけたフクロウ」。
これまで記念展のチラシなどにも採用され、この美術館を象徴する作品です。

竹本さん「あぁ、あの美術館と言えばこの作品ねって、おっしゃっていただく方もいらっしゃるぐらい愛着のある、愛着を持っていただいている方が多いのかなっていう作品だったので、こういう風に無事で、また会うことができて、とてもうれしく思ってます」
「またここを再開したときに、生きてたと言ったら変でしょうか。無事だったのでって、見て、安心というか
ほっとしていただけるように、これから頑張っていかなきゃなと、とても思います」

そして、島を代表する観光スポットでもある「のとじま水族館」では…

橋本記者「こちらの のとじま水族館で飼育されていたジンベエザメのハチベエが死んでいるのが確認されたということです」

おととし9月にやってきて以来人気者だった「ハチベエ」

地震の影響で一時的に水槽の水位が下がったほか、ろ過設備が停止。
水槽内の環境が悪化したことが死んだ原因とみられています。

施設そのものにも様々な被害が出ていますが、のとじま水族館では飼育していたイルカとアザラシを福井県の水族館に避難させるなど、動物の命を守るため、あらゆる対策を検討してきている、としています。

そして、のとじま水族館は先ほど、もう1匹のジンベエザメ「ハク」についても、10日に死亡が確認されたと
発表しました。