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孤独恐れ…2次避難所への移動にためらい 災害関連死もじわり増加

2024年1月10日 21:42
孤独恐れ…2次避難所への移動にためらい 災害関連死もじわり増加
能登半島地震の発生からきょうで10日目。
震災後の避難生活による健康悪化などで命を落とす「災害関連死」の死者も相次いで確認されています。

こちらは、輪島市に開設された医療従事者が運営する「福祉避難所」。

(福祉避難所の様子)
「お味噌汁お待ちくださいね」

9日から特別な支援が必要な高齢者や体調を崩した人の受け入れが本格的に始まり、およそ40人が避難しています。

こちらの男性は市内の避難所から移ってきました。

(Q移動する前の避難所は?)
男性「ごはんもあまりあたらなかった。パンばっかり。最後に残ったのは俺1人。これだけのスペースで前に電気ストーブを置いて、毛布をかけて車いすで寝起きして」

震災から10日目。

今も2万5000人あまりの方が避難生活を続けています。

こうした状況の中、今、防がなければいけないのが、「災害関連死」。
県内では、これまでに8人が災害関連死で亡くなったと発表されています。


震災後の健康悪化などが原因とされる災害関連死。

福祉避難所の運営に携わる紅谷 浩之 医師はこう話します。

紅谷 浩之 医師 「実際この地域、高齢化率は50 %近くて、避難者の数もものすごく多い状況なので、災害で心身のストレスで環境が変わって2~3日避難所で寝ているだけでも足腰が一気に弱ってしまうことを思うと、元々、高齢者は体力が低下するフェーズ、それがすごく急速になる環境だと思うので」

集団生活を強いられる避難所では体調不良を訴える人が増えているといいます。

県では生活環境の改善に向けて、ホテルや旅館など「2次避難所」への移送を調整しています。

馳知事「災害関連死の可能性のある高齢者、要支援者」「速やかに(2次避難所に)運ぶことがまず関連死を防ぐために必要なことだと思います」

ただ、高齢者の中には孤独になることを恐れ、「2次避難所」へ移動することをためらう人もいるといいます。

紅谷 浩之 医師 「地域性や関係性を分断するような大きな災害と感じていて、重要なところをすでにいっぱい失っている人に、もう1つ、切る判断をしなければいけないと。それが大事だと分かっているだけにとても苦しいですね」

県のまとめによりますと、能登半島地震による死者は災害関連死の8人を含む206人。

また、9日から大規模捜索が行われている輪島朝市の火災現場からは人の骨のようなものが見つかっており、遺体の一部かどうかを含めて詳細は調査中だということです。