政府の情報収集衛星「レーダー8号機」を載せたH2Aロケット49号機の打ち上げは、「上空の風が強い」として延期されました。新たな打ち上げ日について三菱重工業は、「今後の気象条件で判断する」と説明しました。

　H2Aロケット49号機はもともと、9月11日の打ち上げを予定していましたが、天候の悪化が予想されて16日に延期されていました。15日夜、機体は発射場へと移され、16日午後の打ち上げを待っていました。

　しかし、三菱重工業は16日午前4時過ぎ、「打ち上げ時の上空の風が強い」として2度目の延期を発表しました。中止の判断は燃料を充填する前で、午前10時ごろには機体は組み立て棟の中へと戻されました。

(三菱重工業徳永建打上執行責任者)
「気象条件に左右されたことは残念な思いだが、安全に確実に行うための判断ということで、次の打ち上げの機会を狙うことに集中していきたい」

　3連休最終日の打ち上げを心待ちにしていた観光客からは延期の発表に落胆の声が聞かれました。

(大阪から)
「11日にも見に来てきょうも見に来たのに種子島に来た時点で発表されて『え！もう来ちゃったのに！？』という感じ」

(千葉から)
「一生に一度見るか見ないかだと思ったので、これは計画に組み込んで午後まるまる開けていたがだめでした」

(神奈川から)
「すごく残念です」

　三菱重工業は49号機の新たな打ち上げ日時を未定としていて、「今後の気象条件を見計らい、早期に打ち上げたい」としています。10月にはH3ロケット4号機の打ち上げも控えていますが、49号機の打ち上げを優先していくということです。49号機の打ち上げの予備期間は10月末までとなっています。