【九州初】手指のマヒ残る患者の助けに 鹿児島市の病院に最新リハビリ機器 通称「医療用BMI」
鹿児島市の病院で脳科学と人工知能=AIを使った最新のリハビリ機器が九州で初めて導入されました。脳卒中などで手や指にマヒが残った患者にとって大きな助けとなりそうです。
鹿児島市の田上記念病院で導入されたのは「医療用ブレイン・マシン・インターフェース」。通称「医療用BMI」と呼ばれ脳卒中などで脳神経が傷つき手や指のマヒが残った患者が使うリハビリ機器です。これまで実験や研究のために使われてきましたが、実際の患者に使う医療用としては6月から導入が始まりました。九州の病院では初めてです。
患者は麻痺が残る手に電動の器具、頭にはヘッドセットを装着します。手が開くようにイメージすると脳波を人工知能=AIが解析。電動器具がマヒした手を開かせます。リハビリを繰り返すことで傷ついた脳神経を迂回する代わりの神経回路を使って動かせるようになると言います。
(練習したスタッフ)
「実際に脳波を目で確認できるのである程度自己修正できることが増えてうまく動かすことができたかなと思う」
脳卒中などで脳神経が傷つき重度な運動障害が残ると手や指の機能は戻りにくいとされてきました。厚生労働省が定めた基準ではリハビリのために入院できるのは最大で180日間。その期間の中でマヒを治すことは難しかったと言います。
(田上記念病院リハビリテーション部 川上 剛 部長)
「手はマヒが残った状態で自宅に帰るケースが多い。手のマヒに対してロボットリハビリテーションとかも行っているが、なかなか効果が見えなかった」
病院はマヒが残った患者の大きな助けになることを期待しています。
(田上記念病院リハビリテーション部 川上 剛 部長)
「できるだけ早い時点でBMIの治療を患者に紹介して段階的なアプローチをしていきたい」
病院では来週から患者への使用を始めるということです。