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鹿児島県議が施設長のグループホーム 医師の処方箋なく新型コロナ感染入居者に「イベルメクチン」投与

2024年3月28日 19:37
鹿児島県議が施設長のグループホーム 医師の処方箋なく新型コロナ感染入居者に「イベルメクチン」投与

 指宿市のグループホームで新型コロナウイルスに感染した入居者に対し医師の処方箋がないにも関わらず寄生虫の治療薬イベルメクチンを投与していたことが分かりました。施設長で自民党・県議会議員の小園 成美さんは「法令違反であったことは明らか」と認め謝罪しました。指宿市は27日から施設に監査に入っています。

 医師の処方箋なく寄生虫の治療薬「イベルメクチン」を入居者に投与していたのは指宿市の「グループホームすもも・すももの里」です。

 施設によりますと2022年9月から11月頃、職員や入居者が相次いで新型コロナウイルスに感染した際「イベルメクチンは新型コロナに効果がある」という情報に接し入居者の命を救うためにイベルメクチンを投与したということです。施設によると投与された後、重症化した入居者はいなかったとしています。

 国の新型コロナの診療の手引きでイベルメクチンは「有効性が示されず使用すべきではない」とされています。

 医薬品医療機器等法では個人で輸入した医薬品などを他の人に譲ることは認められていません。

 施設長で自民党・県議会議員の小園 成美さんはイベルメクチンの入手の方法について「医師の友人が海外から輸入したものを買っていた」と説明。「パンデミック下での高齢の入居者様の生命維持を目的とした緊急措置としての行為だったが法令違反であったことは明らか。今後は、二度とこのような事態を起こさぬよう法令を遵守して施設運営を行っていく」とホームページ上で謝罪しました。

 これに対し、施設の元職員は、投与した時期が事実と異なると訴えます。

(元職員)
「ホームページ上で緊急事態宣言のなかという言葉がというところがあったが、去年の10月なので緊急事態宣言はなかった。去年10月では5類に移っていたし。投与された方が、因果関係わからないんですけども、下痢をされていたということがわかっている」

 元職員によりますと21人の職員のうち18人が2月までに退職したということです。退職した理由は…。

(元職員)
「こういった法令違反とか医療行為とか。主治医の指示に従わないところとご家族から信頼して利用者を預かっている身なのでそこはちょっと不信感でしかなかった。運営の方針も全然違ったし辞める決意をした」

 県と指宿市は合同で3月22日に施設に対し運営の指導を行っているほか市は27日から監査も行っています。

 監査の結果次第では、施設の運営取り消しや新規利用者の受け入れの停止などの措置が行われるということです。