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<『基準地価』公表>宮城県全体で”12年連続”上昇 半導体工場進出が決まった大衡村の住宅地は”大きく上昇”

2024年9月17日 19:45
<『基準地価』公表>宮城県全体で”12年連続”上昇 半導体工場進出が決まった大衡村の住宅地は”大きく上昇”

土地取引の目安となる『基準地価』が公表され、宮城県全体では12年連続での上昇となった。

半導体工場の進出が決まった大衡村の住宅地の地価は、去年に比べ大きく上昇した。

県が公表した7月1日時点の「基準地価」は、県全体の平均で2.2%上昇し12年連続の上昇となった。

「商業地」「住宅地」「工業地」などの区分のうち「商業地」で、県内トップの上昇率となったのはー。

伊藤悠貴記者リポート
「県内トップの上昇率となったのが、仙台駅東口のエリアです。去年6月に開業したヨドバシ仙台第一ビルを始め周辺の再開発が続いています」

仙台駅東口周辺では、商業ビルやホテル、マンションなどの再開発が進んでいて、このうち「商業地」の区分で県内トップとなる16.7%の上昇率だったのが、東口エリアにある宮城野区榴岡1丁目。

一方、商業地の「最高価格」は42年連続で仙台駅西口エリア。

仙台市青葉区中央2丁目の「仙台東宝ビル」がある地点は、去年よりも3.3%上昇し、1平方メートルあたり432万円だった。

今回の地価調査に携わった西山 敦不動産鑑定士
「西口に比べて東口はまだ割安感があるということで、高い上昇率になっていると思う。電力ビルの開発とか藤崎の再開発とか、今後は西口にまた(勢いが)戻るような流れも出てこないことはないと思う」

続いて、「住宅地」のうち県内で大きな変化が見られたのが、大衡村亀岡地区。
上昇率は、11.5%と県内で3位だった。

専門家は「さらに土地の価格を引き上げる可能性がある」と話す。

今回の地価調査に携わった西山 敦不動産鑑定士
「今後、半導体工場の影響が出てくる可能性はある。例えば、熊本や北海道の千歳で同様な動きがあり、年間で2割3割上がっているのが続いたりすることもある」

大衡村では、台湾の半導体大手「PSMC」の工場進出にあわせ、住宅や関連企業の工業用地など周辺の土地取引が今後、さらに活発化していく見込み。

すでに、工場進出の影響を感じている住民もいる。

大衡村の住民
「半導体工場が来るということで、住宅建てませんか?という話は(ハウスメーカーから)来ているこれまではそういうことは無かった」

また、「住宅地」の上昇率トップは「大和町杜の丘2丁目」と、工場進出の影響は大衡村の周辺地域にも波及しているとみられる

そして、「工業地」の上昇率トップは仙台市宮城野区扇町の工業地で18.9%と全区分の中で最も上昇した。

ネット通販の市場拡大を背景に、大型物流施設のための中心部に近い幹線道路沿いなどの土地の需要は今後も増えていくと予想される。

今回の地価調査に携わった西山 敦不動産鑑定士
「2024年問題とか、働き方改革。中継的な物流施設も求められる可能性もありまして、幹線道路沿いとかの需要も出てきている」

県によると、コロナ後の経済活動の活発化で、仙台市やその周辺では価格上昇が続く一方、過疎化が進む沿岸部などでは下落傾向がみられるという。