「栗原警察署」オープン、築館署と若柳署を統合(宮城・栗原市)
市民の安全を守る警察署。
宮城・栗原市では、築館署と若柳署を統合して新たな警察署・栗原署の開署式が、25日行われました。
栗原市の国道4号沿いにある築館警察署。
祝日だった3月20日、中に入るといくつもの段ボールが積み上がっていました。
6人の警察官が祝日の体制で勤務するかたわら、行われていたのは引っ越し作業です。
ダンボールが次々と裏口に横付けされたトラックに、運び込まれていきます。
事件の記録など重要な書類を運ぶのは、引っ越し業者ではなく築館警察署の警察官です。
築館警察署・間山直人副署長
「機密文書もありますので、 搬送とか気を付けるところもありましたけど、何とか無事(引越しを)終えられる状況です」
築館警察署は、1877年に古川警察署の分署として発足し、1980年に現在の庁舎が建てられました。
栗原市南部を管轄する警察署として、住民の安心と安全を守ってきました。
宮城県警の再編計画により、今回 栗原市北部を管轄する若柳警察署と一緒に新設する栗原警察署に統合され、業務の効率化を目指すことになりました。
築館警察署、最後の夜。
夜間業務の責任者である当直長を務めるのは、板坂大さんです。
最後の当直長・築館警察署付 板坂大警部
「署員からも、最後の当直だねという声掛けがあったので、ちょっといつもより緊張して迎えておりますが、普段通りの体制をとっておりますので、隙間が生じないよう勤務したいと思います」
この場所で45年。
24時間体制で勤務する警察官によって、町の治安は守られてきたのです。
夜が明けた署内では、朝方に起きた交通事故の対応など、築館警察署として最後の業務にあたっていました。
そして。
警察無線)本日より栗原署を開署となります
ほっとしたのもつかの間、当直長を務めた板坂さんはパトカーに乗り込みました。
向かったのは、車で10分ほどの場所に新設された栗原警察署です。
栗原警察署・板坂大警備課長
「昨日の当直の報告と業務の引継ぎ、それから築館警察署の歴史を栗原警察署に繋いでいきたいと思います」
そして、3月25日。
栗原警察署の開署を記念するセレモニーが、行われました。
栗原警察署・須藤信豪署長)栗原警察署を新たな治安拠点として、関係機関・団体の皆様との連携を一層密にするとともに、署員が一丸となって管内の治安維持にあたり栗原警察署の歴史と伝統を築いていく所存です
栗原市の志波姫地区に約27億5000万円をかけて整備された庁舎は、鉄筋コンクリート造りの地上4階建て。
木目調で暖かみのあるホールが市民を出迎え、署員はエアコンやシャワー室完備の柔剣道場で訓練に励んだり、95人の署員全員が入れる会議室で講習や式典に臨みます。
また、72時間分の電力が賄える非常用発電機のほか、屋上には太陽光パネルを設置し、震度6強にも耐えられる災害に強い庁舎で、栗原市全域を管轄します。