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【特集】<仙台市消防局・指令センター>救命リレー最前線を取材 2割は『緊急性ない通報』

2024年8月20日 19:36
【特集】<仙台市消防局・指令センター>救命リレー最前線を取材 2割は『緊急性ない通報』

市民からの119番通報を受け付ける仙台市消防局の指令センター。
救命リレーの最前線を、取材した。
差し迫った事案だけでなく、緊急性のない通報も多いのが現状だ。

消防隊員)119番消防です。火事ですか?救急ですか?
通報者)呼吸がちょっとおかしくなってきてる
消防隊員)わかりました。何歳の男性・女性か教えてください

1日平均230件の通報が入る仙台市消防局の指令センター。
毎日10人ほどの職員が、24時間体制で勤務する。

消防隊員
「現在、仙台市内において救急隊が22隊出場しており、警戒体制の運用基準を超えたことから通常体制から警戒体制に切り替える」

消防隊員)トラックと車の事故ですか?
通報者)そうです。トラックと軽自動車
消防隊員)ケガ人、何名いらっしゃいますか?
通報者)多分1人です

高齢化などを背景に、仙台市の119番通報の件数は増加傾向で、去年は過去最多のおよそ8万5000件上った。
しかし、その2割を占めるのが緊急性のない通報だという。

実際に、靴ズレをして痛い、病院が休みか知りたい、水道が止まった、といった通報もあったという。

通報者)転んで寝てたので、朝起きたら捻挫してて病院に行けない状態…
消防隊員)救急車呼んだのは、動けなくて病院に連れてってほしいということ?
通報者)はい、すみません

消防隊員
「正直119番する人が救急車必要と言ったら、こちらは救急ととらえて出場指令はかけるが、よく話を聞くと自分でも行ける症状とかそういう救急要請があるのは事実」

通報者)おじいちゃんの様子がおかしい、多分コロナじゃないか
男性隊員)救急要請に至った具体的な症状は?
通報者)水分と食事があまりとれない。熱は現在37.2度

緊急性のない通報の増加などにより、救急隊の到着時間は10年前と比べおよそ1分20秒遅くなっている。

交通事故の通報者)保険会社の人に確認すると一応、”警察”にも連絡してくださいと
消防隊員)こちら119番消防でしたので
通報者)ああ、そうですか
消防隊員)110番に連絡していただいてよろしいですか?確認ですけどケガされた方はいらっしゃらない?通報者)全然、大丈夫

日夜、対応に追われる隊員たち。
「外には食べに行けないので、このセンターに24時間いる。なので弁当を注文」

消防隊員にとって、休憩時間は大切だ。

休憩中の会話
「スケボーだったっけ?」
「(五輪の)スケボー観ました」
「仙台の人?」
「東北高校の生徒」
「へえー」

消防隊員
「(指令センターは)基本的には現場を経験してくる場所」
「現場にいた時に想像していた指令センターの仕事は、実際にやってみるともっと大変なことをされていたんだなと実感しています」

そして、この時期多いのが熱中症。

消防隊員)救急が向かう手配をしています。向かう救急車が、秋保の消防署から向かいます。お子さんの年齢と性別教えてください」
通報者)3歳女の子です
消防隊員)主な症状は何ですか?
通報者)唇が紫色になった、泡吐いている
消防隊員)今反応ってありますか?呼びかけたり肩叩いたりして
通報者)反応しません

消防隊員
「外出先で遊び終わった後に、車で移動中。外で遊んで、熱中症疑い。救急車が向かってることを伝えながら安心感を与えて、こちらで引き出したい情報を得ていく。色々聞きすぎてしまうと、パニックになる方も多いのでバランスがとても難しい」

きょうも、最前線で救命リレーのバトンを繋ぐ人たちがいる。

「火事ですか救急ですか?」

消防庁では、急な体調悪化やけがなどで通報するか判断に迷った際には、 救急安心センター事業「#7119」の活用をすすめている。本当に必要とする人に1秒でも早く到着できるよう適切な利用を心掛け、必要な時には迷わず電話することも大事という。