谷川弥一 衆院議員 略式起訴 秘書と共に裏金事件で政治資金規正法違反の罪《長崎》
自民党の派閥の政治資金をめぐる事件で東京地検特捜部は、衆議院議員の谷川 弥一議員らを政治資金規正法違反の罪で東京簡裁に略式起訴しました。谷川議員は自民党を離党し、議員を辞職する意向も固めています。
略式起訴されたのは、長崎3区選出の衆議院議員谷川 弥一議員、82歳と谷川議員の次女で、秘書を務めている三宅 浩子氏、47歳です。
東京地検特捜部によりますと、谷川議員らは政治資金パーティーをめぐって安倍派側から受けた寄付金について、収支報告書に記載をしなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。
谷川議員側がおととしまでの5年間で受けた寄付金の総額は、5405万円だったにも関わらず、谷川議員の政治団体の収支報告書に記載されていたのは1050万円のみ。
差し引いた4355万円が安倍派側からキックバックされていて、これが「裏金」になっていたとみられています。
特捜部は、金額の大きさなどから谷川議員らの立件に至ったものの、これまでの取り調べに対し、関与を認めていることなどから、正式な裁判を開かず書面のみで審査する「略式起訴」としたということです。
五島市出身の谷川議員は、30歳で建設会社を創業すると、1987年から5期、県議会議員を務めました。
2003年、衆議院選挙に長崎3区から出馬し初当選。
現在、7期目です。
多額のキックバックを受けたとされる谷川議員。
関係者によりますと、1枚2万円のパーティー券の年間売り上げは約2000万円。
このうち、安倍派から1年ごとに800万円程度のキックバックを受けていたといいます。
また、谷川議員は、派閥のパーティー券を複数のルートで販売したとされ、ある関係者は、谷川議員が創業した企業の下請け業者に多額のパーティー券を売りさばいていたとも話しています。
安倍派の政治資金パーティーの問題が明らかになった去年12月、谷川議員は報道陣の前に姿を見せましたが・・・
(谷川議員)
「読み上げますよ。清和政策研究会のパーティー券の問題について刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を慎重に調査確認して適切に対応してまいりたい」
(記者)
「もう少し説明を」
(谷川議員)
「今はこの通り。今は言ってるじゃない。きょうはこの時点でこの通りだってここに来てるんだから、それは評価してほしい」
疑惑に対する詳しい説明は避け、進退についても明らかにしませんでした。
略式起訴されたことを受け、谷川議員は自民党を離党。
議員辞職する意向も固めています。
谷川議員は、「国民の皆様ならびに長崎県民の皆様に深くおわび申し上げます。今後の手続きを見ながら後日自らの進退についてご報告させていただきます」とコメントしています。
今後、裁判所が特捜部から提出された資料を元に有罪と判断すれば事件は、法廷で審理されず、罰金の略式命令を出され、谷川議員らが納付すれば終結します。
刑が確定してから原則5年間は公民権が停止されることになります。