衆院長崎3区補選まで1か月 自民は結論出ず「勝算は当初の3分の1くらいに」野党 準備着々《長崎》
衆議院長崎3区の補欠選挙は、来月16日の告示まで1か月を切りました。
立候補を表明している野党の2人は、着々と準備を進めています。一方、自民党は未だ候補者を擁立するか結論を出すことができていません。
16日に行われた 自民党県連の衆議院長崎3区の補欠選挙に関する説明会。
選挙区内の地域支部の幹部や県議らを集め、これまでの経緯を説明しました。
(自民党県連 古賀 友一郎会長)
「いよいよ告示1か月前という状況になった中で、現状のようなまだ(対応が)決まっていないという状況になっている」
谷川 弥一氏の辞職に伴い、行われる長崎3区の補欠選挙。
地元の議員や党員などからは「候補者を擁立すべき」との意見が強いものの、「裏金問題」などで自民党への逆風が吹く中、慎重論も根強くあります。
この状況を伝えた上で、候補者を擁立するか党本部と協議を続けてきた自民党県連。
今月10日までに結論を出すよう求めていましたが、党本部からの連絡はないということです。
参加した県議からは県連幹部や党本部に対して疑問の声も。
(自民 江 真奈美県議)
「いろんな報道を見ていると、(擁立と不戦敗が)半々という報道ばかりだが、実は話を聞いていると、不戦敗はありえないという声が結構あるので、それをきちんと県連としてまとめて、党本部には伝わっているのか」
(自民 田中 愛国県議)
「選挙区がなくなるとか特殊な選挙だから、党本部主導でやらなければやれないし、手を挙げる人もいなかった。それは仕方ない。もうここに至ったら、やると決めても。私は勝てると思っていたけど、当初の勝算からすると3分の1くらいに落ちてしまっている」
県連は引き続き、党本部の判断を待つとしています。
(自民党県連 古賀 友一郎会長)
「党本部がどうするか判断しないと、我々は一歩も前に進めない。時が経てば経つほど、選挙をやる場合には状況が厳しくなる。1日も早く、1時間でも1分でも早くという状況だと思う」
補欠選挙が行われる旧・長崎3区は、大村市と佐世保市の一部、東彼杵郡の3町と五島、壱岐、対馬などの離島が含まれます。
区割り変更後は、大村市と対馬市、壱岐市が旧2区を中心とした「新2区」に入り、東彼杵郡の3町や五島市、新上五島町などは旧4区を中心とした「新3区」に組み込まれることから、旧3区は、事実上「消滅する」選挙区となります。
(立憲 山田 勝彦衆院議員)
「自民党の金権政治は許さないんだと波佐見町の皆さん、山田勝彦と一緒のその民意を示していこうではありませんか」
16日、立憲民主党の山田 勝彦衆議院議員が「対話集会」を開いたのは、波佐見町。
旧3区から新3区に変わる地域です。
山田氏はここ1年ほど「新2区」の地域で活動を行っていましたが、「裏金疑惑」が報道された去年末からは、再び「旧3区」での活動を行っています。
(立憲 山田 勝彦衆院議員)
「(旧3区の支援者から)『よくぞ決断してくれた』と、『また一緒に選挙をやろう』と、前向きな言葉をたくさんもらった。山田勝彦への期待は、前回以上にあるのでは」
日本維新の会の井上 翔一朗氏は10日に、初めての街頭演説を大村駅前で行いました。
(維新 井上翔一朗氏)
「日本維新の会は、企業や団体から献金などはもらえない。党のルールで禁止している。そういったしがらみを断つ政治ができるのは、日本維新の会しかない」
佐世保市のJR早岐駅前に事務所を構え、朝夕の辻立ちもほぼ毎日行っている井上氏。
初めての選挙への挑戦で後援会などの組織も持たない中、街頭での活動を積極的に行い、地道に浸透を図っていく狙いです。
(維新 井上翔一朗氏)
「候補者の知名度の差はあると思うが、立憲民主党なのか、日本維新の会なのか、次の政治改革、野党第1党を担えるのはどちらなのかを選ぶ、非常に重要な意味合いを持った選挙になる」
構図が固まらない中で、告示まで1か月を切った長崎3区の補欠選挙。
投開票は来月28日に行われます。