「幻のそば」を広めて、諫早を「そばのまち」に 伝統普及に取り組む男性とベトナム人の挑戦《長崎》
生産量が少なく「幻のそば」と呼ばれる「高来そば」。
生産や販売を引き継いだ男性が、新たな取り組みを始めています。
諫早を「そばのまち」に。地域活性化の一歩です。
11月下旬、諫早市小長井町で開催された、まちおこしイベント「こなフェス」。
菓子やフライドポテトなどと並んで販売していたのは…。
(中瀬 謙さん)
「2杯ですね。ありがとうございます」
「高来そば」です。
旧高来町で古くから栽培され、香りの高さが売りですが、生産量が限られていることから「幻のそば」と呼ばれます。
特徴は食べ方にも。
注ぐのは、そばの「ゆで汁」です。
濃い味のつゆをかけ、地元でとれたネギなど薬味を添えれば、名物の「どろりそば」の完成です。
(来場者)
「食べてみたいと思っていて、初めて食べた。おいしい。そばは好きなので」
(来場者)
「いつものそばより出汁がきいている気がした。おいしい」
(来場者)
「どろりそばという名前にひかれて、どんな味なんだろうと」
この店を出したのは、中瀬 謙さん 51歳。
高来そばを栽培する農業生産法人の代表に11月、就任しました。
(中瀬 謙さん)
「どろりそばの味を知ってもらいたい」
中瀬さんの出身はベトナム。
1995年に来日し、現在は諫早市に暮らしています。
外国人の人材派遣会社で役員を務めるほか、今年春には、ため池を活用してツリーハウスを建てるなど、地域の活性化に積極的に取り組んでいます。
(中瀬 謙さん)
「そばを作って、まちづくりをしたい」
干拓地に広がるコスモス。
そのとなりに約1.4ヘクタールのそば畑があります。
例年は11月中旬から収穫しますが、猛暑の影響で成長が遅れ、これからが最盛期です。
(中瀬 謙さん)
「色が黒くなっている種だったら、ちょうど収穫時期で、緑が少し残っているのも香りがすごくいい」
松永 孝典さんは(74)約15年にわたって高来そばの普及に努めてきました。