長崎くんち【麹屋町・川船】“まちの仲間と駆け抜ける青春を” 最年長54歳の初挑戦《長崎》
長崎くんちの踊町「麹屋町」の奉納は川船。
その根曳に初挑戦するのは、最年長の根曳は54歳。
体に鞭うって駆け抜けてきた10か月あまりを追いました。
任されたのは、「左舷の6番」。
最大級の川船を、仲間を、左側から支えます。
(實藤 康史さん)
「まだ一か月あるというよりは、あと少ししかない。演技を仕上げるのもそうだが、この仲間でするのもあと少しなんだと思えば…。
毎日、毎日、後悔ないようにやっていきたい」
實藤 康史さん 54歳。
初めてのくんちへの挑戦は、“最年長根曳” としての挑戦でもありました。
まだ寒さが残る 2月下旬。
(長采 山本 泰弘さん)
「 ようやった、頑張ったという奉納をするで。頑張るぞ」
川船を奉納する麹屋町はくんち本番を8か月後に控え、すでに動き出していました。
根曳の平均年齢は38.5歳。實藤さんが掲げたテーマは…
(實藤 康史さん)
「がむしゃらに、青春の忘れ物を取りに行くぞという感じで頑張ろうかなと」
實藤さんは、17年前に麹屋町に引っ越してきました。
その年、長女の桃子さんが先曳としてくんちに参加。
それをきっかけに、まちの人たちとの交流が始まったそうです。
10年前、前回のくんちは 仕事などの調整がつかなかったため参加できず。
年齢などを考え 悩んだものの、仲間に背中を押され、今回は一大決心しました。
しかし、現れるのは大きな壁ばかり。
体力面に、くんち特有の所作と、苦労の連続でした。
(實藤 康史さん)
「もうボロボロ。足元も 結構痛かったりするが、手入れしながら」
ただ、決して立ち止まることはありませんでした。
周りに後れをとらないよう、体に鞭打ち、続けてきたトレーニング。
いつしか、それは仲間との大切な時間となりました。
(實藤 康史さん)
「体が順応しちゃって、困ったことについていけちゃう。きついというより、仲間と走るのが楽しい」
「宜しくお願いします」
7月からは船を使った稽古が始まりました。
週に6回…。
厳しい稽古を乗り越えたその先に自分自身の成長があると信じ、取り組んできました。