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「災害を自分ごととして捉えてほしい」東日本大震災の記憶を語る 震災経験者6人の13年《長崎》

2024年3月11日 21:06
「災害を自分ごととして捉えてほしい」東日本大震災の記憶を語る 震災経験者6人の13年《長崎》

東日本大震災の発生から今年で13年。長崎市では10日に震災の経験を語る座談会が行われました。

10日、長崎市立図書館で行われた座談会「きかせてください、あのとき」。

長崎市出身で、宮城県仙台市で被災した奥村 志都佳さんが企画しました。

(奥村 志都佳さん)
「実際に、その地で生活をしてきて感じたことや、それから13年、宮城の地で過ごしてみてきたことを長崎の人に届けたい」

参加したのは13年前、様々なカタチで「震災を経験した人たち」6人です。

震災直後からまちの様子などの定点撮影を続けてきた 市民団体「3.11オモイデアーカイブ」の代表佐藤 正実さんは・・・

(3.11 オモイデアーカイブ 佐藤 正実さん)
「大体、黙とうは1分間が多いけど、わたしたちは3分間の黙とうをやっていて、その理由が、揺れていた時間が3分間。机の下に1分間隠れて我慢すれば収まるからとよく言われていた。でも1分経っても収まらない。3分間ずっと揺れ続けていた」

震災当時、福島県の会津若松市で暮らしていた女性は、震災の記憶が風化するのを懸念しています。

(福島県で被災)
「避難してきた子どもたちと遊んだり、みなさんのお話を聞いたりするボランティアをしていた。年数がたっていくと、震災について考えたり話をしたりする機会もどんどん減っていって」

それぞれの「13年前」。

苦しい、悲しい記憶だけではなく、「悔しい」思いをした人もいます。

(大村市から)
「(当時は)何かしたいけど、何もできないという歯がゆい思いをしながらテレビを見ていた。長女が昨年4月から宮城県の女川に移住していて、私は被爆3世で娘は被爆4世。立ち上がっていくまちを見たいと女川町を選んでいった」

(大村市から中学3年)
「被災した中学生の子たちを見て、すごく考えさせられた。自分もこの立場に立っていたら、どんな風につらかっただろうと」

会場には、被災者の様子やまちが復興していく過程を映した写真など、約100点が並びます。

奥村さんが伝えるのは、災害を自分ごととして捉えてほしいというメッセージです。

(奥村 志都佳さん)
「3.11の事を通して、自分たちの時間軸生活軸において隣の大事な人と語り合えたり、何かをわが家が備えていたかとか、どこかせめて集合場所くらいは決めておこうとか。ちょっと先の事を考えたりということにつながるきっかけになればいい」

パネル展は13日まで開催されます。

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