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鳥取市で新たな移動サービス「とりモビ」 実証実験開始から2か月 利用状況や課題は? 鳥取県鳥取市

2023年12月12日 17:43
鳥取市で新たな移動サービス「とりモビ」 実証実験開始から2か月 利用状況や課題は? 鳥取県鳥取市

今年10月から、JR鳥取駅の南側の地域で始まった新しい移動サービスの実証実験。開始から約2か月が経つなか、利用状況など、現状を取材しました。

■とりモビとは?

今年10月から運行が始まったのは、乗り合い移動サービス「とりモビ」。鳥取県や鳥取市、タクシー会社などでつくる協議会が、便利な移動サービスの導入と地域活性化を目指し、2024年2月まで実証実験を行っています。

月に何度か、とりモビを利用しているという鳥取市内の大学に通う竹村和晃さんはこの日、鳥取駅から書店への移動にとりモビを使うということで、取材班は同乗させてもらいました。

まずは、専用アプリで乗車する場所と行き先を選び、予約。

そして、待つこと数分。10人乗りのワンボックスカー、とりモビがやってきました。

竹村和晃さん
「一見するとタクシーみたいなサービスじゃないですか。なんですけども値段も確かに安いですし、配車中、地図のアプリの方に今どこを走っていますよっていうのが到着する時間が逐一表示されるので、とても分かりやすい交通だなと感じました」

とりモビは、アプリを通じて配車中の現在地が見られたり、AI人工知能を活用し、最適なルートを選んだりできます。これまでは、バスや鉄道の利用が中心だった竹村さん。とりモビを使い始めたことで、ある変化があったと言います。

竹村和晃さん
「いままでは買い物に行くとしても、いつも決まった場所にしか行かなかったんですよね。それがこういう交通ができたことによって選択肢が増えましたね。例えば、書店だとここの書店にはなかったからまた別の書店にいって探してみようっていう、そいういうことができるようになったのが僕の中では大きいですね」

これまで買い物に行く店は限られていましたが、とりモビを利用し始めたことで、移動範囲が広がったそうです。とりモビのサービスエリアは、JR鳥取駅の南側の地域。

乗り降りできる地点は、約200か所、最寄りの乗車ポイントから目的地まで路線に関係なく移動できるため、バスとは違った利用ができます。しかし今、利用者が伸び悩んでいるというのです。

■利用者が伸び悩む…要因は?

鳥取県交通政策課 島谷康弘課長補佐
「始めの無料期間はまず、どんなものかなと風に乗っていただいたという感じを受けております。ただそれに継続的に乗っていただくというのはひと壁があるのかなという感じを受けております」

実証実験の始まった10月は、無料期間だったこともあり1か月の間に約1200件、1800人の利用。

しかし、有料となった11月になると利用者の数は3分の1に減ったのだと言います。利用料金は1回400円で、月額5000円の乗り放題プランなどもあり、タクシーに比べると割安ですが、十分に知られていないことが一因だといいます。

また、高齢者からは携帯電話のアプリの設定やクレジットカードの登録に抵抗があるといった声もあると言いますがー。

鳥取県交通政策課 島谷康弘課長補佐
「電話でももちろん呼べますし、 現金で払うこともできるようになっております。そういう意味では最初の登録さえしていただければ、お年寄りの方も使い勝手が良い交通であろうと」

さらなる認知度の向上が課題で、買い物や通院のほか、子育て世代に向け保育園や幼稚園の送り迎え、塾や習い事への移動など様々な使い方を提案していく方針です。

とりモビでは現在、地元百貨店などとのコラボ企画も行っていて、今後も地域イベントなどとの連携を増やすことで、鳥取市内の活性化につなげていきたいということです。