あすで東日本大震災から14年 オムツや体ふきシートなど備蓄品の大幅拡充で“災害関連死”対策へ 教訓を胸に備え着々
県は災害関連死の対策として備蓄品目を大幅に増やすなどして、避難所の良好な生活環境を確保できる体制を構築します。
★青森放送 菅原厚キャスター
「県庁北棟1階では当時の記憶・様子を写真で伝えるパネル展が開かれています。こうした災害の教訓を生かすため県は災害備蓄品を増やすための取り組みを始めます」
熊本地震や能登半島地震では避難生活のストレスで体調を崩す災害関連死が、家屋の倒壊などの直接的な原因による犠牲者を上回りました。
このため県はこれまで食料や水など4品目だった災害備蓄を大幅に拡充します。
避難所の環境を良くしようとオムツやミルク、それに体を拭くシートやプライバシーテントなど17品目にまで増やします。
★県防災危機管理課 気田理一郎課長
「避難者全員の環境を良好にするものをはじめとして、男女のニーズの違いや子育て世代高齢者などさまざまなニーズに配慮した備蓄をすることといたしました」
備蓄品の管理は配送業者に委託し、有事の際にすぐに届けられるようにします。
またトイレカーを1台購入し県防災教育センターに配置するなど、県は避難所の良好な生活環境を確保できる体制を構築します。
津波からいち早く逃げるために 沿岸で呼びかけ
階上町では当時津波で被害を受けた消防団が沿岸で津波防災を呼びかけるパレードを行いました。
東日本大震災では津波の犠牲者はいませんでしたが、沿岸の荷さばき施設など建物92棟が損壊し漁船の流出や沈没などの被害を受けました。
団員たちは消防車で町内の沿岸地域およそ8キロを回り、避難経路を確認するなどの備えを住民に呼びかけました。
★「大震災を忘れることなく津波防災に対する意識を高め災害への備えをしましょう」
パレードは風化を防ぐため、大震災の翌年から行われています。
風化させない 決意刻む
震災を風化させないメッセージ展が震災伝承施設・八戸市みなと体験学習館「みなっ知」で始まりました。
会場には県内外の中高生と大学生およそ340人が、東日本大震災を通して感じたことをメッセージカードに綴っています。
1枚1枚に震災当時の経験をはじめ、被災地に向けた励ましや震災の記憶を受け継ぐ決意などさまざまなメッセージが並んでいます。
★訪れた人
「学校が避難所になったら助けられること手伝えることを頑張りたいです」
「こういうメッセージをいただけるというのは我々被災にあった人にはやはり力強いですね」
★八戸市みなと体験学習館 前澤時廣 館長
「自分たちもつむいでいこうつないでいこうという気持ちになってくれれば」
メッセージ展は今月16日まで開かれています。